乾燥毛穴とは?主な原因と予防方法について解説

乾燥毛穴とは?主な原因と予防方法について解説

乾燥によって目立ってしまう毛穴、いわゆる乾燥毛穴は、多くの女性が抱える悩みの1つです。すっぴんでも、メイクをしても気になる毛穴は、自信をなくしてしまう原因にもなりかねません。

乾燥毛穴とは、一般的に肌の水分が不足し、角質が硬くなって毛穴が目立ってしまう状態を指す言葉です。乾燥によって肌のバリア機能が低下し、外部刺激を受けやすくなるため、炎症を起こしやすくなったり、肌のターンオーバーが乱れたりすることもあります。

当記事では、乾燥毛穴の原因や、乾燥毛穴を予防するための具体的な方法について詳しく解説します。

記事の監修者

崔 煌植

崔 煌植 医師

美容外科・皮膚科医

 

乾燥毛穴の特徴とは?

この記事における乾燥毛穴とは、肌の水分が不足して肌、バリア機能が失われることで、毛穴が目立ってしまう状態のことです。

肌が乾燥すると、乾燥から肌を守ろうと皮脂が過剰に分泌されます。皮脂の過剰分泌や角質の蓄積によって、毛穴が押し広げられ、開いてしまう仕組みです。

 

乾燥毛穴が目立つ肌の特徴

乾燥毛穴が目立つ肌の特徴としては、主に以下の通りです。

・毛穴の開き

肌のハリが失われ、毛穴が周りの皮膚から浮き出てしまうため、毛穴が大きく開いて見えたり、反対に凹んで黒く見えたりします。

・乾燥感

肌がカサカサし、粉をふいたように見えることがあります。特に頬や鼻周りなど、皮脂分泌が少ない部分に現れやすい傾向があります。

・くすみ

古い角質が蓄積すると、肌がかさつき、透明感が失われたような印象を与える可能性があります。

・ハリの低下

肌のうるおい成分が減少すると、肌にハリがなく、たるんで見えるときがあります。

 

乾燥毛穴の主な原因

乾燥毛穴は、肌の乾燥が主な原因ですが、乾燥を招く要因として、環境要因、ストレス要因など、さまざまな要素があります。以下で紹介する要因を理解し、適切な対策を行うことで、乾燥毛穴を予防・改善しましょう。

 

スキンケア製品の影響

乾燥肌、脂性肌、敏感肌など、肌質によって合う製品は異なります。アルコール、合成香料、着色料など、肌に刺激となる成分が含まれていないか確認しましょう。

例えば、アルコールは肌の水分を蒸発させやすい特徴があるため、乾燥肌につながる恐れがあります。特に敏感肌の方や乾燥肌の方は、一般的にはアルコールを含む化粧品の使用は避けたほうがよいと言われています。

また、肌に合わない保湿クリームを使い続けると、毛穴がクリームの油分で詰まり、乾燥毛穴を悪化させる可能性があるため、クリーム選びも大切です。

 

洗顔の方法

洗顔は肌を清潔にする欠かせないケアですが、間違った方法で行うと、かえって肌を乾燥させる場合があります。

以下のような方法で洗顔をしていると、乾燥毛穴の原因となりかねないので注意しましょう。

・ゴシゴシ洗顔

肌を強くこすると角質層が傷つき、バリア機能が低下します。結果的に、肌が乾燥しやすくなり、毛穴も開きやすくなります。

・熱湯での洗顔

熱湯は皮脂を過剰に洗い流して肌を乾燥させることがあります。肌の常在菌バランスを崩し、肌トラブルを引き起こす可能性もあります。

・洗顔料のすすぎ残し

洗顔料が残っていると肌を刺激し、乾燥の原因となります。また、毛穴に洗顔料が詰まり炎症を起こすこともあります。

・洗顔回数が多い

洗顔回数が多すぎるとバリア機能を保つために必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾燥を招きます。

洗顔後は、すぐに化粧水などで保湿することも大切です。

 

気候と環境の影響

肌の乾燥の原因には、身の回りの気候や環境も大きく関わっています。

例えば冬場や空気が乾燥している地域では、室内の暖房などによって空気中の水分が奪われ、肌から水分が蒸発しやすくなります。紫外線はコラーゲンやヒアルロン酸を破壊し、肌をごわごわにする「光老化」を起こすため、肌のバリア機能を低下させる原因の1つです。他にも、大気中のPM2.5や排気ガスなどは、肌に直接ダメージを与え、乾燥を促進します。

加湿器を使用する、室温を調整するなど、肌に優しい環境を作ったり、日焼け止めを塗る、日傘をさすなど、紫外線から肌を守ったりすることが大切です。

 

栄養や水分不足

肌に限らず、人間の体は取り入れたものを材料として状態を保ちます。そのため、バランスの取れた食事は、健康な肌を維持するために不可欠です。以下のような栄養素が不足すると、肌のターンオーバーが乱れ、乾燥や肌荒れを引き起こしやすくなると言われます。

・タンパク質

三大栄養素の1つであるタンパク質は体内で分解されてアミノ酸となり、吸収された後、体に必要なタンパク質へ再合成されます。コラーゲンやエラスチンといった肌の組織を構成する成分は、タンパク質から作られます。

・ビタミン

ビタミンAの主要な成分であるレチノールには、皮膚や目の粘膜を健康に保つ働きがあるとされています。また、皮膚、髪、爪などの細胞の再生に関わると言われるビタミンB2や、多くのアミノ酸の代謝を助ける作用があるとされるビタミンB6も肌と関連のあるビタミンです。

・ミネラル

亜鉛は数百もの酵素たんぱく質の構成要素の1つであり、新しい細胞が作られる組織や器官では必須のミネラルです。

出典:長寿科学振興財団「ビタミンAの働きと1日の摂取量」

出典:長寿科学振興財団「ビタミンB2の働きと1日の摂取量」

出典:長寿科学振興財団「ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量」

出典:長寿科学振興財団「亜鉛の働きと1日の摂取量」

また、水分は、身体の約60%を占める重要な成分です。肌の水分が不足すると、角質層が硬くなり、バリア機能が低下します。その結果、外部刺激から肌を守れなくなり、乾燥が進み、毛穴が目立つようになります。

 

ストレスと不規則な生活

ストレスを感じると、体は自律神経のバランスを崩し、さまざまな反応を起こします。肌に関しては、以下のような影響が考えられます。

・皮脂分泌の増加

ストレスを感じると、皮脂腺を刺激するホルモンが分泌され、皮脂が過剰に分泌されます。

・ターンオーバーの乱れ

自律神経の乱れにより、肌の生成サイクルであるターンオーバーが乱れ、古い角質が蓄積しやすくなると言われます。

・血行不良

ストレスは血行を悪くし、結果的に肌への栄養供給が滞り、乾燥を招く可能性があります。

また、不規則な生活は、身体全体のバランスを崩し、肌にも悪影響を及ぼします。特に睡眠中に肌の修復が行われるため、睡眠不足は肌の乾燥や肌荒れの原因の1つです。

 

乾燥毛穴の予防と対策

年齢を重ねるにつれて、どうしても肌の水分保持力が低下するため、肌が乾燥しやすくなります。以下では、乾燥毛穴にならないための予防法・対策法について紹介するので、ぜひ参考にしてください。

 

日常のスキンケアでできる予防法

乾燥毛穴の悩みを予防するためには、まずは日々の正しいスキンケアが大切です。

洗顔するときは肌に優しいクレンジング剤・洗顔料を選び、強くこすらずにマッサージするように丁寧に汚れを落としましょう。洗顔後は、肌の水分が蒸発し始めるため、なるべく早めに保湿ケアを行うことがポイントです。

メイクをする際は、低刺激で日焼け止め効果のある製品を選ぶこともおすすめです。ファンデーションは肌を外部刺激から守る役割もありますが、乾燥毛穴がすでに目立っている場合は粉っぽく見えることがあるため、ブラシでさっと薄くのせるなど工夫も検討しましょう。

 

保湿製品の選び方と使用のポイント

化粧水、美容液選びのポイントとしては、保湿成分に注目することが挙げられます。ヒアルロン酸、セラミド、コラーゲン、グリセリンなどは代表的な保湿成分です。乾燥毛穴に悩む方は、これらの成分が配合されているかどうかを確認してみるとよいでしょう。

保湿の順番は、一般的に「化粧水→美容液→乳液・クリーム」の順で行うのがおすすめです。化粧水は水分を補給し、美容液は美容成分を角質層まで届け、乳液・クリームは水分を閉じ込めるというように、それぞれの製品に役割があります。この順番を守ることによって、より効果的に保湿ケアを行うことが可能です。

美容液は、化粧水の後、乳液・クリームの前に使うのが一般的ですが、製品によっては化粧水の前に使うものもあります。製品の説明をよく読んでから使いましょう。

 

肌の状態を理解することが乾燥毛穴の予防と対策の第一歩

乾燥毛穴の予防・改善には、毎日の積み重ねが大切であり、自分の肌に合ったスキンケア方法を見つけて、継続することが重要です。もし、ご自身の肌の状態が気になる場合は、一度皮膚科医に相談することをおすすめします。

また、乾燥毛穴を引き起こさないためには、夏や冬の室内の湿度管理も重要です。冷房や暖房は空気を乾燥させるため、必要に応じて加湿器を使用するなどして適切な湿度を保つよう心がけましょう。季節や環境の変化によって、肌の状態も変化します。肌の状態に合わせてスキンケア製品や方法を調整することも大切です。

記事の監修者

崔 煌植

崔 煌植 医師

美容外科・皮膚科医

経歴
・元大手美容クリニック大型院 院長
・サラクラアズクリニック 技術指導医
・AND美容外科心斎橋院 院長
・「サイ先生の糸リフト塾」 代表・講師

所属
・韓国美容外科医学会 (KAAS)
・日本美容外科学会 (JSAS)

アンチエイジング・たるみ治療のスペシャリスト。
特にミドル世代からの支持が厚くファンも多い。
得意施術の「糸リフト」は症例件数10,000件以上(西日本 1位)、ベストショットアワードなど数々の賞を受賞。複数の美容クリニックで院長・技術指導医・監修医を兼任する傍ら、糸リフト実践セミナー講師として全国の美容ドクターの技術指導に携わる。