50代になると何かと変化が起き、肌の悩みも増えていきます。女性ホルモンの分泌量はどんどん減少し、皮脂量・水分量の減少も重なって乾燥、くすみ、カサつき、たるみなどの悩みを抱える人が多くなります。どの年代でもそうですが、特に50代の女性は年齢に合った適切なスキンケアを行うことが大切です。
そこでこの記事では、50代の肌の悩みや変化、肌トラブルの原因、50代のスキンケアのコツ・注意点などを解説します。
記事の監修者
竹内 想
皮膚科医
くすみ・たるみ、ハリ不足・カサつき・乾燥・毛穴の開き・くすみなどのさまざまな悩みが現れるのが50代の特徴です。
50代ではどのような肌トラブルが起きるのか詳しく紹介します。肌トラブルに対処するために、まずはその原因を知りましょう。
肌を美しく保ってくれる女性ホルモンである「エストロゲン」は、40代ごろから分泌量が減り始めます。それに伴い、肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンなども減少。これがたるみやカサつきの原因となるのです。
肌は一定の周期で生まれ変わっており、この周期をターンオーバー周期と呼びます。ターンオーバー周期は年齢とともに遅くなります。
個人差はあるものの、20代では約28日間に対し、50代になると約55日間になるともいわれています。ターンオーバー周期が遅れ、古い角質やメラニンが残るとくすみ、ごわつきの原因になってしまいます。
皮脂が減ることで肌のバリア機能が低下し乾燥しやすくなります。水分量がただでさえ減っている肌のバリア機能が低下するため、肌トラブルが頻出します。結果として敏感肌になってしまう場合もあるため、注意が必要です。
どのような年代の肌にも紫外線は影響を与えますが、50代も例外ではありません。紫外線を浴びると肌が乾燥し、くすみの原因となってしまいます。
また、それ以外にも紫外線によってコラーゲンやエラスチンが破壊され、ハリ不足やカサつきなどの原因にもなります。とにかく紫外線は女性の肌の敵といえるでしょう。
必要以上に糖を摂取してしまうことは健康上問題がある、と認識している人が多くいますが、50代の肌トラブルという点でも糖の過剰摂取は避けましょう。
エネルギーとして使われなかった糖分は、たんぱく質と結合し、糖化産物が産生されることで細胞にダメージを与えてしまいます。この現象を「糖化」といい、くすみ、ハリ不足などの原因になります。そのため、50代で肌をきれいに保ちたい場合には食事にも注意が必要です。
さて、ここまで50代の肌トラブルについて解説してきましたが、実際にスキンケアを行う場合にはどのようにスキンケア用品(基礎化粧品)を選べばよいのでしょうか。
すでに述べた通り、50代になると皮脂や水分の量が減り、乾燥しやすくなります。そのため、高保湿成分が含まれているスキンケア用品、化粧品を選ぶのがおすすめです。高保湿成分の例としては、セラミド・ヒアルロン酸・コラーゲンなどが挙げられます。
エイジングケアとは年齢肌に対するお手入れのことです。年齢を重ねると、女性ホルモンの減少やターンオーバーの遅れなどの変化が起こり、結果として肌のハリ不足、たるみ、くすみ、カサつきなどの悩みが現れます。そのような悩みには、エイジングケア効果があるスキンケア用品を選ぶとよいでしょう。
自身の肌の悩みにアプローチできるアイテムを選ぶことも非常に大切です。というのも、乾燥肌や脂性肌の肌質は、人によって異なるためです。また、日々の食生活や生活スタイルによっても肌の状況は大きく変化します。有名なブランドだから、という点だけを見て選ぶのではなく、今の肌の状況に合ったものを選びましょう。
スキンケア用品(基礎化粧品)は基本的に毎日使うものなので、使い続けられるかもポイントです。たとえば、よい成分がふんだんに入っていても、香りが好みでなければ使い続けるのが嫌になってしまうでしょう。香りの他に気にした方がよい点は価格・使い心地・肌への刺激などです。それらを総合的に考慮して、長く使い続けられるアイテムを選びましょう。
ここでは、50代のスキンケアの際のポイントについて紹介します。ご自身に合ったスキンケア商品を選ぶとともに、適切なスキンケアを行いましょう。
効果を高めるうえでは、適切な順番でスキンケアを行うことが大切です。適切な順番とは、まずクレンジング、そして洗顔・化粧水・美容液・乳液またはクリームの順です。
まずは優しくクレンジングと洗顔を行い、化粧水・美容液をつけます。手でつける以外にコットンを使う方法もありますが、その場合は肌をこすって刺激とならないように注意してください。なお、乳液とクリームは両方使っても問題ありません。
スキンケアは、同じブランドの商品でライン使いするのがおすすめです。それぞれの商品の相性がよいこと、そして徹底したケアを行えるので効果がより期待できるためです。ライン使いに加えて継続してケアを行うことでさらに効果が期待できるので、自身に合ったブランドを長くライン使いするのが重要です。
最後に50代のスキンケアの注意点を解説します。まず注意したい点は、こすらない、強く引っ張らない、ということです。これらを行ってしまうと、バリア機能の低下・乾燥・肌荒れの原因になってしまう可能性があります。
また、夜だけでなく朝もスキンケアを行うのがおすすめです。夜だけスキンケアをする場合に比べて、より効果が実感できるでしょう。スキンケア商品で推奨されている適切な量を使用することも大切です。
50代になると、さまざまな変化が起き、乾燥、くすみ、カサつき、たるみなどの悩みを抱える人が増えます。そんな50代からは、適切なスキンケア方法を実践するとともに、自身の肌に合ったスキンケア商品を選ぶことが重要です。
※医師の記事監修は医学的内容に関する部分のみ行っており、特定の商品についての効果を保証するものではありません。
記事の監修者
竹内 想
皮膚科医
2016年に大学を卒業後、市中病院での初期研修を経て現在は皮膚科医として複数の病院やクリニックで外来診療を行う。皮膚科医として専門的な内容をわかりやすく伝えることに重点をおき、WEB記事監修や執筆を行っている。