髪にボリュームが出てしまう主な原因として、日本人特有の骨格や、髪の隙間に湿気が入ってしまうことが挙げられます。また生まれつき髪の毛量が多い場合や、髪質の問題でボリュームが出やすいという方もいるでしょう。
この記事では髪のボリュームを抑えるためにできるケア方法を紹介します。髪のごわつきによってスタイリングが難しいと悩んでいる人や、髪をきれいにセットして自信を持ちたいという方は、ぜひ参考にしてください。
目次
記事の監修者
崔 煌植 医師
美容外科・皮膚科医
髪にボリュームが出てしまう現象は、さまざまな要因によって引き起こされます。
まず、日本人特有の骨格、特に頭の形状が関係しており、これが髪が広がりやすく見える原因の1つとされています。海外のモデルのようなヘアスタイルを目指しても、骨格の違いによって思うようにいかない場合があります。
次に、湿気も髪のボリュームに関係することがあります。雨の日や梅雨の時期には髪が湿気を含み、膨張することによって、うねりやすくなったり、髪がボサボサとした状態になりがちです。
また、遺伝による髪の量や髪質の違いもボリュームに影響を与える要素です。髪の毛が多い人や太い髪質の人、くせ毛の人は特に髪が広がりやすいと言えます。
他にも、乾燥やカラーリング、ブリーチなどによる髪のダメージがあると、髪の内部の水分が不足し、外部の湿気を吸収しやすくなるため髪が広がる原因となり得ます。
以下では、髪をボリュームダウンさせるために、まずは基本的な3つのアプローチをご紹介します。扱いやすく、見た目も美しい髪を目指すためにも、ぜひ参考にしてください。
髪が多い人や厚みを減らしたい人は、シンプルにカットによるボリュームダウンをするのもよいでしょう。カットでボリュームを抑える際は髪の質感や流れを考慮し、自然に見えるように調整するのが大切です。
髪の広がりを抑える上で、レイヤーを入れることは一般的な手法です。レイヤーは髪の内側の重さを取り除き、外側に軽やかさをもたらします。髪に動きが出て、全体的にボリュームを抑えられるので、美容師に相談してみるとよいでしょう。
また、髪の長さを調整することもボリュームダウンに役立ちます。長い髪は重力によって自然と下に引っ張られ、ボリュームが抑えられます。ただし、あまりに長すぎると髪の管理が難しくなるため、バランスを考えた長さにカットすることが重要です。
縮毛矯正は髪のクセやボリュームを抑え、なめらかで直毛のような質感に仕上げる美容技術の1つです。特に、くせ毛で扱いにくい髪質を持つ人や、自然なボリュームが強すぎてスタイリングに困っている人に適しています。縮毛矯正を行うことで髪を根本から毛先まで均一にストレートになり、日々のスタイリングが格段に楽になります。
縮毛矯正では、髪に薬剤を塗布して髪の内部構造を一時的に変化させることから始まります。薬剤が髪のプロテイン結合に作用し、髪の形状を変える仕組みです。次に、専用のアイロンを使用して髪を熱で直接ストレートに整えます。最後に別の薬剤を塗布して髪の構造を固定し、長時間ストレートな状態を保持できるようにします。
縮毛矯正を受ける際は経験豊富で信頼できる美容師に相談し、髪の状態や希望する仕上がりについて、事前にしっかりと話し合うことが重要です。また、縮毛矯正後の髪は薬剤の影響で乾燥しやすくなることがあるため、しっかりと保湿しましょう。
縮毛矯正は髪への負担が大きい施術の1つであるため、髪が健康であることが前提となります。事前にトリートメントを行うなどして髪のコンディションを整え、施術後も定期的なケアを怠らないことが、美しい仕上がりを長く維持するためのポイントです。
ヘアオイルは、乾燥やダメージによるパサつきが原因で髪が広がりやすい人におすすめです。髪の保湿と栄養を補給することで髪をなめらかにし、扱いやすくするのが主な目的です。
ヘアオイルが髪の1本1本をコーティングし、外部の湿気による広がりを防ぎます。また、髪の内部にヘアオイルが浸透して水分バランスが整うことで髪自体が健康になり、自然とボリュームが落ち着くこともあります。
ただし、オイルの使用量が多すぎると髪が重たく見えたり、べたつきの原因になったりする場合があるので注意が必要です。
毎日のケアを少し変えるだけで髪のボリュームを自然に抑え、扱いやすくすることが可能です。ここでは、日常のルーティンに簡単に取り入れられる、髪をボリュームダウンさせるための方法を2つ紹介します。
髪を正しく乾かすことで髪の広がりを抑え、スムーズで扱いやすい質感を実現しやすくなります。
まずは髪を洗った後、タオルで優しく水分を取り除きます。髪を強くこすったり、ねじったりすると髪のキューティクルが傷つき、広がりの原因となるので避けましょう。タオルドライは、髪を軽く押さえるようにして水分を吸収させるのがコツです。
ドライヤーを使用する際は、可能な限り低温設定で乾かすことがポイントです。高温で乾かすと髪の水分が奪われ、乾燥やダメージの原因になります。また、ドライヤーの風は髪の根元から毛先に向かって当てることで髪が自然に沿った方向に整い、ボリュームアップを防ぎやすくなります。
日常的にヘアブラシを使うことで、髪の表面をなめらかに保ち、髪の広がりを防ぐことができます。朝と夜、1日2回のブラッシングが理想的です。ヘアブラシを使用しながらドライヤーで髪を乾かすことで髪をなめらかに整え、ボリュームを抑えられます。熱を均一に分散させることで、髪に自然な光沢が出るでしょう。
また、髪をとかすときは毛先から徐々に根元に向かって優しくとかすことで、髪の絡みを解消して髪へのダメージを最小限に抑えられます。
広がりやすい髪をコントロールしたい場合は、密度の高いブラシが適しています。髪をとかす際の摩擦を減らすためにも、先端が丸いブラシを選ぶとよいでしょう。
髪のボリュームを抑えたい時に保湿が大切な理由は、髪の乾燥は髪が広がりやすい原因の1つであるためです。
乾燥した髪は外部の湿気を吸収しやすく、これが髪のボリュームアップを引き起こします。加えて乾燥は髪のキューティクルが開く原因にもなるため、結果として髪の表面が乱れさらに髪が広がりやすくなります。
適切な保湿ケアを行うことで髪の水分バランスを整え、キューティクルをなめらかに保ちます。なめらかなキューティクルは髪同士の摩擦を減らし、髪が絡みにくくなるため、自然とボリュームをコントロールしやすくなるでしょう。
スキンケアにおいても、保湿は美しい肌を維持するために欠かせません。肌の保湿を怠ると乾燥が引き起こされ、さまざまな肌トラブルの原因となります。
乾燥した肌はバリア機能が低下し、敏感さが増すだけでなく、細かなシワやくすみの原因にもなります。しっかりと保湿すれば、肌は柔らかくなめらかな状態を保ち、外部刺激から肌を守るバリア機能も強化されます。
保湿は肌の水分と油分のバランスを整え、健康的な肌の輝きを支えます。肌のタイプや季節に応じた保湿製品を選び、朝晩のルーティンに確実に取り入れることが大切です。
髪のボリュームが過剰になる原因としては、髪質、湿気の影響、髪のダメージなどが挙げられます。特に湿度の高い環境では髪が湿気を吸収しやすく、それが髪の膨張として現れるため髪が広がりやすくなります。また、髪が乾燥していると外部の湿気をより多く吸収してしまい、同様の問題が起こります。
髪をボリュームダウンさせるためには、カットで不要な髪の量を減らすこと、縮毛矯正やストレートパーマを施して髪の構造自体を変えること、日々のケアで髪の保湿を心がけることなどが有効です。
記事の監修者
崔 煌植 医師
美容外科・皮膚科医
経歴
・元大手美容クリニック大型院 院長
・サラクラアズクリニック 技術指導医
・AND美容外科心斎橋院 院長
・「サイ先生の糸リフト塾」 代表・講師
所属
・韓国美容外科医学会 (KAAS)
・日本美容外科学会 (JSAS)
アンチエイジング・たるみ治療のスペシャリスト。
特にミドル世代からの支持が厚くファンも多い。
得意施術の「糸リフト」は症例件数10,000件以上(西日本 1位)、ベストショットアワードなど数々の賞を受賞。複数の美容クリニックで院長・技術指導医・監修医を兼任する傍ら、糸リフト実践セミナー講師として全国の美容ドクターの技術指導に携わる。