更年期にたるみやシワが増える原因は?対策方法も徹底解説

更年期にたるみやシワが増える原因は?対策方法も徹底解説

年齢を重ねるにつれて、肌の変化を感じる方は少なくありません。特に更年期に差しかかると、「なんとなく顔全体が下がってきた」「目元のシワが急に増えた」といった悩みが生じやすくなります。

更年期の肌トラブルの背景には、閉経に伴うホルモンバランスの変化による、コラーゲンやエラスチンの減少、皮脂や水分の低下、筋肉や骨の変化などがあります。更年期の変化をストップするのは難しいため、体の変化に合わせて、スキンケアや生活習慣を変えることが大切です。

この記事では、更年期に起こるたるみやシワの原因、自分でできるたるみやシワの対策方法や生活習慣の見直し方について解説します。

目次

  1. 更年期に肌のたるみやシワが生まれる原因
    1. コラーゲンやエラスチンの不足
    2. 肌の皮脂量や水分量の減少
    3. 表情筋の筋力低下
    4. 骨密度の低下
  2. 更年期のたるみやシワへの対策5つ
    1. スキンケアのときはしっかり保湿を行う
    2. 紫外線対策をする
    3. 顔のストレッチをする
    4. 食生活を見直す
    5. 運動をする
  • 更年期のたるみやシワはスキンケアと生活習慣改善で対策しよう

記事の監修者

崔 煌植

崔 煌植 医師

美容外科・皮膚科医

 

更年期に肌のたるみやシワが生まれる原因

更年期に入ると、ホルモンバランスの変化によって、さまざまな体の変化が起こり、肌にたるみやシワが目立ちやすくなります。

特に女性ホルモンの一種であるエストロゲンの減少は、肌にさまざまな影響を及ぼす要素です。

肌のたるみやシワの主な原因となる4つの変化について解説します。

 

コラーゲンやエラスチンの不足

肌のハリや弾力を保つためには、真皮層に存在するコラーゲンやエラスチンの働きが欠かせません。コラーゲンは肌の土台として構造を支えるタンパク質であり、エラスチンはその構造に柔軟性を与える成分です。

人間の肌には線維芽細胞という、コラーゲンやエラスチンを生み出す細胞があり、肌の張りや弾力を保っています。しかし、更年期の時期に加齢により線維芽細胞の機能が低下すると、肌は内側から弾力を失い、外部からの刺激にも弱くなってたるみが発生します。

特に目元や口元は皮膚が薄いため、コラーゲンやエラスチンの減少による影響を強く受け、たるみが目立ちやすい部位です。

 

肌の皮脂量や水分量の減少

更年期の女性は、加齢と女性ホルモン量の減少によって皮膚のバリア機能が弱まり、ターンオーバーの乱れが増えるため、皮脂の分泌量や角質層の水分保持能力も低下しやすくなります。

肌が乾燥しやすくなると、表面がざらつきやすくなり、きめの乱れが目立ちがちです。乾燥による小じわが目元や口元に現れやすくなり、放置すると深く刻まれてしまう恐れがあります。

また、皮脂と水分のバランスが崩れると、肌がもともと持つ保湿力や保護力が低下し、紫外線や摩擦といった外部刺激のダメージが残ってたるみやシワが目立ちやすくなります。特に冬場やエアコンの効いた室内では、乾燥肌が進行しやすく、たるみやシワを悪化させる要因となるため注意が必要です。

 

表情筋の筋力低下

顔のたるみには、皮膚や真皮の構造だけでなく、筋肉の働きも深く関わっています。表情筋と呼ばれる顔の筋肉は、皮膚や脂肪を支える役割を果たしており、筋力が保たれていれば肌は引き締まった印象を保てるでしょう。

しかし、更年期になると筋肉量の減少や筋膜のゆるみにより、顔の筋肉も垂れやすくなります。結果、頬のラインやフェイスラインに影響が出やすく、ほうれい線が目立ったり、あご周りがたるんだ印象になったりしがちです。

表情筋は日常的な表情の動きや発声によって鍛えられています。しかし、現代ではマスクの着用や、直接顔を合わせないでコミュニケーションをとる場面が増えたこともあって、さらに筋力の低下が進みやすくなっています。

 

骨密度の低下

たるみの原因は皮膚や筋肉だけにとどまりません。骨も、見た目の印象に大きく関係する要素です。

顔面の骨は、肌や脂肪、筋肉の支えとしての役割を果たしています。しかし、更年期に入ると、ホルモン量の変化によって骨密度が低下し、骨粗しょう症リスクが高まるだけでなく、顔をはじめとしたさまざまな部分の骨の萎縮が始まります。

結果、上に乗っている皮膚や脂肪の支えが弱まり、フェイスラインが崩れたり、たるみが目立ったりするようになりがちです。

特に頬骨やあご、こめかみ周辺の骨が縮小することは、フェイスラインのもたつきや目元のくぼみが目立ち、肌がたるんで見える原因です。

 

更年期のたるみやシワへの対策5つ

更年期のたるみやシワ対策を行うためには、スキンケアと紫外線対策という肌ケアの基本に加えて、骨や表情筋を減らさないための運動や栄養補給も大切です。

以下では、更年期のたるみやシワを遅らせたい方に向けた対策方法を解説します。

 

スキンケアのときはしっかり保湿を行う

更年期を迎えると肌質も変わるため、肌に必要なケアの質とアプローチを見直すことが重要になります。更年期の肌はエストロゲンの減少により、肌の保水力や皮脂のバランスが崩れやすくなり、乾燥やバリア機能の低下が目立ってきます。

そのため、更年期以降は「しっかりと保湿すること」を中心に据えたスキンケアが大切です。

日々のケアでは、化粧水で水分を補給した後、乳液やクリームで油分のフタをする基本の保湿ステップを丁寧に行うことが大切です。特に乾燥が気になる時期には、美容液や化粧水をたっぷり含ませたシートマスクを使って集中的に保湿すると、肌のうるおいをキープしやすくなります。更年期の方は乾燥により肌状態が敏感になる方も多いので、刺激が少ないスキンケア製品を選ぶのもよいでしょう。

更年期以降の肌の悩みにあたって注目されているのが、「LPS」という成分です。LPSは、肌の免疫機能に関連があるとされており、バリア機能や保湿力の向上にもつながると期待されています。また、LPSは、真皮層の線維芽細胞に信号を伝えることで、ヒアルロン酸やエラスチンの産生をサポートすると考えられています。

LPSとは

美容液などのスキンケアアイテムを活用することで、更年期の肌に不足しがちな要素を補い、肌本来の機能を引き出すサポートが可能になるでしょう。

朝晩の2回、適量の保湿剤や美容液をやさしく手のひらでなじませることが、うるおいのある肌を保つための基本です。

すり込むのではなく、肌にやさしく広げるように塗布し、乾燥や刺激を避けるよう心がけることも大切です。入浴後は水分の蒸発が早いため、できるだけ早めに保湿を行うようにしましょう。

 

紫外線対策をする

更年期以降の肌は、紫外線による影響を受けやすくなっており、シワやたるみには日常的な紫外線対策が欠かせません。

地表に届く紫外線には主に「UV-A(紫外線A波)」と「UV-B(紫外線B波)」の2種類が存在します。

UV-Aは波長が長く、肌の奥にある真皮にまで到達してコラーゲンやエラスチンを破壊し、シワやたるみを引き起こすとされる紫外線です。対して、UV-Bは波長が短く、主に表皮に強いダメージを与えることで、しみや炎症の原因となります。

紫外線の影響を抑えるために、以下のような対策を取り入れるとよいでしょう。

  • 日中の外出時には、紫外線カット効果のある日傘やつばの広い帽子を使用する
  • 肌の露出を避けるため、長袖の衣類やアームカバー、ストールなどで覆う
  • UVカット効果のあるサングラスやメガネをかけて、目元のダメージも防ぐ
  • SPF・PA表示のある日焼け止めを毎日使用する

日焼け止めは、UV-Bに対する防御力を示す「SPF」と、UV-Aに対する防御力を示す「PA」の2つの指標で選びます。日常生活ではSPF20~30、PA++程度でも十分ですが、長時間外にいる場合はSPF50+、PA++++のような高機能タイプが適しています。

 

顔のストレッチをする

表情筋のたるみにより頬やフェイスラインが下がって見えないように、顔のストレッチやマッサージをするのもおすすめです。

たとえば、たるみが気になる頬や口元にやや力をかけて、指先で引き上げるようにマッサージすることで、フェイスラインがすっきりする効果が期待できます。肌に摩擦を与えすぎないよう、クリームや乳液を使って指のすべりをよくしながら行うのがポイントです。

また、表情筋を効果的に鍛えるには、口の周りだけでなく額や目の周辺など、顔全体をまんべんなく動かすことが大切です。偏ったトレーニングは筋肉のバランスを崩す可能性があるため、週2~3回程度の頻度で、無理なく継続するようにしましょう。

ウォーミングアップとして耳のマッサージを取り入れるのもおすすめです。耳には多くの血管が通っており、軽く回すことで顔全体の血行が促されます。

 

食生活を見直す

たるみには、肌の外側からのケアに加えて、内側からの栄養補給も欠かせません。

肌や筋肉、骨の構成に関わる栄養素をしっかりと摂取することで、肌のハリや弾力の維持に役立ちます。特に更年期以降はエストロゲンの減少により、コラーゲンやエラスチンを作る力が低下するため、食事からのサポートがより重要です。

以下のような栄養素を意識して食事に取り入れるのがおすすめです。

  • たんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品):肌や筋肉の材料になる
  • 大豆イソフラボン(豆腐・納豆など):エストロゲンに近い分子構造を持つ
  • ビタミンC(ブロッコリー・キウイなど):コラーゲンの生成を助ける
  • ビタミンA(人参・かぼちゃなど):肌のバリア機能に影響する
  • 亜鉛(レバー・かきなど):新しい細胞を作るのに必要となる

一方で、糖質の摂りすぎには注意が必要です。糖質は体内でたんぱく質と結びつくことで「糖化」と呼ばれる現象を起こします。糖化は、たるみやくすみなどを加速させる要因とされているので、砂糖の多い食品や白米・パン・麺類などの精製された炭水化物は摂りすぎないようにしましょう。

 

運動をする

更年期以降の体の変化に対処するには、運動を習慣づけることが大切です。

筋肉は年齢とともに自然に減少しますが、適度な運動を取り入れることで筋力を維持し、たるみの進行を防ぐことができます。筋肉量が増えれば代謝も上がり、血行が改善され、老廃物の排出が促進されるため、全身のハリ感にもよい影響を与えるでしょう。

また、運動は骨密度の低下を防ぐため、更年期に起こりやすい骨萎縮や姿勢の崩れによるたるみの悪化も軽減できる可能性があります。加えて、適度な運動を続ける習慣は肌に悪影響を及ぼすストレスの軽減にもつながり、夜間ぐっすり睡眠をとりやすくなるでしょう。

運動といっても、特別な時間を設ける必要はありません。

例えば、移動の際に階段を選ぶ、台所でかかとを上下に動かす、洗濯物を干しながらストレッチをするなど、日常生活の中で体を動かす「ながら運動」を積極的に取り入れるだけでも十分です。

運動が続かないと感じる方は、毎日やろうと気負うのではなく、「できるときにやる」という気軽な姿勢で取り組むことが継続のポイントです。

 

更年期のたるみやシワはスキンケアと生活習慣改善で対策しよう

更年期に起こるたるみやシワは、エストロゲンの減少をはじめとする身体の変化が積み重なることで、目立ちやすくなる現象です。皮膚の内側から支えている構造や、水分・油分のバランスが崩れることで、肌のハリが失われやすくなります。また、筋肉や骨の減少も顔の輪郭に影響を与え、加齢のサインを現れやすくする一因です。

このような変化に対抗するためには、日々のスキンケアを丁寧に行うことに加えて、食事・運動・紫外線対策などの生活習慣を整えることが欠かせません。年齢を重ねてもいきいきとした肌を維持するために、できることから始める意識が大切です。

記事の監修者

崔 煌植

崔 煌植 医師

美容外科・皮膚科医

経歴
・大阪府済生会千里病院
・大手美容クリニック大型院院長
・美容クリニック技術指導医
・崔先生の糸リフト塾代表
・SAI CLINIC 院長

所属
・韓国美容外科医学会 (KAAS)
・日本美容外科学会 (JSAS)

エイジングケア・たるみ治療のスペシャリスト。糸リフトは症例件数10,000件以上、SBCベストショットアワードなど数々の賞を受賞。

オーソモレキュラー栄養療法と美容医療を融合し、体の内側と外側の両方からアプローチすることで自然な健康美を目指すSAI CLINICを大阪梅田で開院。

特にミドル世代からの支持が厚く、県外からのリピーターも多い。