• TOP
  • 美肌研究室
  • 日焼けしない方法|日焼け止めの正しい使い方・UV対策法

日焼けしない方法|日焼け止めの正しい使い方・UV対策法

日焼けしない方法|日焼け止めの正しい使い方・UV対策法

夏の強い日差しの中、日焼けが気になって外出を楽しめなかった経験がある方もいるでしょう。紫外線は、シミやそばかす、シワなどの原因になるだけでなく、皮膚がんのリスクも高めてしまいます。

日焼け止めは、紫外線から肌を守るための必須アイテムですが、塗り方や選び方によっては十分な効果が得られないこともあります。

そこで当記事では、日焼け止めを正しく使う方法から、日常生活でできる簡単なUV対策まで、幅広くご紹介します。

記事の監修者

崔 煌植

崔 煌植 医師

美容外科・皮膚科医

 

日焼けしない方法を学ぶ!日焼けのメカニズムと肌への影響

日焼けは、単に肌の色が変わるだけでなく、皮膚にさまざまなダメージを与える可能性があります。日焼け対策をしっかりと行い、健康な肌を保ちましょう。

以下では、日焼けのメカニズムを解説します。

 

なぜ肌は日焼けするのか?紫外線とは?

日焼けは、太陽光に含まれる紫外線が皮膚に当たって起こる反応です。紫外線には、主にUVA、UVB、UVCの3種類がありますが、地表に届くのはUVAとUVBがほとんどです。

UVA(紫外線A波)
  • 長波長の紫外線で、皮膚の深層まで到達します。
  • コラーゲンやエラスチンを破壊し、シワやたるみ、光老化の原因となります。
  • 日焼けによる即時の赤みは少ないですが、メラニン色素の生成を促し、日焼けを長時間持続させます。
UVB(紫外線B波)
  • 中波長の紫外線で、主に表皮に作用します。
  • 日焼けによる赤みや炎症を引き起こし、皮膚がんの原因となる可能性もあります。
  • メラニン色素の生成を促し、日焼けによる褐色を形成します。

日焼けのメカニズムは主に以下の通りです。

1 紫外線が皮膚に当たる
  • 紫外線が皮膚に当たると、皮膚細胞のDNAに損傷を与えます。
2 メラニン生成の活性化
  • 損傷を受けた皮膚細胞は、メラニン色素を生成するメラノサイトに信号を送ります。
  • メラノサイトは、メラニン色素を生成し、核やDNAを紫外線から保護しようとします。
3 メラニン色素の移動と沈着
  • 生成されたメラニン色素は、ケラチノサイト(角化細胞)と呼ばれる皮膚細胞に移動し、細胞核の上に蓄積されます。
4 日焼けの症状が発生
  • メラニン色素の増加によって、皮膚が褐色に変化し、日焼けの症状が起こります。
  • また、炎症反応によって、赤み、腫れ、痛みなどの症状が現れることもあります。

 

日焼けによる肌への長期的な影響

日焼けが肌の老化を早めるメカニズムは、主に以下の通りです。

  • 紫外線は、肌の弾力やハリを保つために重要なコラーゲンやエラスチンを破壊します。これにより、肌にシワやたるみができやすくなり、老け顔の原因となります。
  • 紫外線によってメラニン色素が過剰に生成され、シミやそばかす、肝斑などの色素沈着を引き起こします。
  • 紫外線は、肌の水分を奪い、肌を乾燥させます。乾燥した肌はバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなります。
  • 敏感肌やアトピー性皮膚炎などの原因となることもあります。

紫外線による肌の老化は、光老化と呼ばれます。光老化は、遺伝的な老化とは異なり、紫外線によって引き起こされる老化現象です。

 

日焼けしない方法とは?日焼け止めを正しく使うことが大切

日焼けは、肌にダメージを与え、老化を進める原因となります。1年を通じてしっかりと紫外線対策を行うことが、美しい肌を保つために大切です。

以下では、日焼け止めの選び方と正しい使用方法などを解説します。

 

日焼け止めの選び方:SPFとPAの違いとは?

SPFとPAは、日焼け止めを選ぶ上で重要な指標です。SPFはUVBから、PAはUVAから肌を守る効果を示します。

SPF(Sun Protection Factor)
  • UVBを防ぐ効果を示す指標です。
  • SPFの数値が大きいほど、UVBから肌を守る時間が長くなります。例えば、SPF30なら、日焼け止めを塗っていない状態と比べて、日焼けするまでの時間を約30倍遅らせる効果に期待できます。
PA(Protection Grade of UVA)
  • UVAを防ぐ効果を示す指標です。
  • PAは「+」の数で表示され、「+」が多いほど、UVAから肌を守る効果が高いことを示します。

例えば、屋外で長時間過ごす場合は、SPF50+、PA++++などの高めの数値を選ぶのがおすすめです。

 

日焼け止めの正しい塗り方とタイミング

環境省の「紫外線環境保健マニュアル2020」によれば、日焼け止めは、外に出る前に塗ることが大切です。

塗る量については、顔の場合は1円玉くらいの大きさの日焼け止めを手のひらに取ります。顔の数か所に分けて置き、そこから顔全体に伸ばします。それを2回繰り返します。また、鼻の頭や、首、肩、背中の上部など、太陽光にさらされやすい場所には念入りに塗ってください。

腕や脚など広い範囲に塗る場合は、直接日焼け止めの容器から直線を描くように肌につけてから、手のひらでらせんを描くようにムラなく均一に伸ばしましょう。

出典:環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」

 

日焼け止めの塗り直し頻度は?

紫外線環境保健マニュアル2020は、日焼け止めは2~3時間ごとに塗り直すように推奨しています。

出典:環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」

汗をかいたりタオルで拭いたりすると日焼け止めが落ちてしまうため、2~3時間ごとに塗り直しましょう。汗を大量にかくスポーツをする場合は、30分~1時間ごとに塗り直すのが理想です。タオルで汗を拭く際にも日焼け止めが一緒に落ちてしまうことから、こまめな塗り直しが必要です。

同様に、水に濡れると日焼け止め効果が落ちてしまうため、水泳や海水浴などを楽しむ場合は、30分~1時間ごとに塗り直しましょう。ウォータープルーフタイプの日焼け止めを選ぶのもおすすめです。

 

日焼けしたくない人が意識すべきその他の方法

日焼けしたくない人が意識すべきその他の方法として、日焼け止め以外の対策も多々あります。以下では、その具体的な方法とメリットを解説します。

ご自身のライフスタイルに合わせて、最適な対策を取り入れてみてください。

 

衣類や日傘を使用した日焼け防止

日焼け止めと並んで、日焼け防止に効果的なのが、衣類や日傘などのアイテムです。例えばポリエステル素材は、紫外線遮蔽率が高く、速乾性にも優れているため、夏のレジャーに最適です。また、濃い色のほうが紫外線を吸収しやすく、日焼け防止効果が高い傾向があります。

日傘の選び方は、遮光率99%以上のものを選ぶと、より効果的に紫外線を遮ることができます。顔や首までしっかりと覆える大きめのサイズを選ぶとよいでしょう。

 

日焼けを防ぐライフスタイルの工夫

日焼け防止は、日焼け止めだけでなく、日常生活での工夫も非常に大切です。

例えば、夏の紫外線が強い時期に外出する際は、用事をまとめて一度に済ませ、日差しの当たる時間を短くしましょう。なるべく日陰を選んで歩くのも効果的です。車で移動するよりも、電車やバスなどの公共交通機関を利用すれば、日差しの当たる時間を減らしやすくなります。

また、目の周りの皮膚は特にデリケートなためサングラスで紫外線を遮ることが大切です。UVカット機能付きのサングラスを選びましょう。

 

食事と栄養で支える日焼け対策

日焼け対策は、外からのケアだけでなく、内からのケアも重要です。バランスの取れた食事を心がけることで、肌を健康に保ち、日焼けによるダメージを最小限に抑えやすくなります。

例えばビタミンCはコラーゲンの生成を助け、肌の弾力性の維持にアプローチします。また、メラニン生成を抑える働きもあり、シミやそばかすの予防効果が期待できるでしょう。

出典:長寿科学振興財団「ビタミンCの働きと1日の摂取量」

 

日焼けを防ぐためには全体的なアプローチが大切

日焼け止めは、紫外線から肌を守るための必須アイテムですが、選び方や塗り方によって効果は大きく変わります。SPFやPAといった指標の意味を理解し、自分の肌質やその日の活動内容に合った日焼け止めを選ぶほか、こまめに塗り直すことが大切です。

また、日焼け止めだけでなく、帽子やサングラス、日傘などの物理的な遮蔽物も有効です。特に、顔や首など、日焼けしやすい部分はしっかりとガードしましょう。

日焼け対策は日々の積み重ねが大切です。今日からできることから始め、健やかな美肌づくりを行っていきましょう。

記事の監修者

崔 煌植

崔 煌植 医師

美容外科・皮膚科医

経歴
・元大手美容クリニック大型院 院長
・サラクラアズクリニック 技術指導医
・AND美容外科心斎橋院 院長
・「サイ先生の糸リフト塾」 代表・講師

所属
・韓国美容外科医学会 (KAAS)
・日本美容外科学会 (JSAS)

アンチエイジング・たるみ治療のスペシャリスト。
特にミドル世代からの支持が厚くファンも多い。
得意施術の「糸リフト」は症例件数10,000件以上(西日本 1位)、ベストショットアワードなど数々の賞を受賞。複数の美容クリニックで院長・技術指導医・監修医を兼任する傍ら、糸リフト実践セミナー講師として全国の美容ドクターの技術指導に携わる。