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肌のハリを取り戻すことは可能?意識したい対策方法

肌のハリを取り戻すことは可能?意識したい対策方法

年齢を重ねるにつれて、肌のハリが失われ、乾燥や小じわが気になってしまう方は多く存在します。また、「どうして私の肌はたるんでしまったんだろう?」「どういったケアをすれば、またハリのある肌になれるの?」といった悩みを抱えている方も少なくないでしょう。

当記事では、肌のハリが失われる一般的な原因や、正しいスキンケア方法、毎日の生活の中でできる簡単な習慣など、肌のハリを取り戻すための具体的なアプローチを紹介します。

記事の監修者

崔 煌植

崔 煌植 医師

美容外科・皮膚科医

 

肌のハリを取り戻すことは可能?

肌のハリを取り戻すことは、ある程度までは不可能ではありません。

年齢とともに肌のバリア機能が衰えたり、紫外線などの外的刺激によってダメージを受けたりすると、コラーゲンやエラスチンの生成が低下し、肌のハリが失われ、シワやたるみが現れることがあります。

ビタミンAの主成分であるレチノールは皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする働きがあるため、肌のバリア機能維持に寄与すると言えます。また、ビタミンCはコラーゲンの生成に必須となる成分で、日焼けを防ぐ機能があると言われる栄養成分です。

ほかにも、ビタミンCやポリフェノールは、活性酸素によるダメージから肌を守り、コラーゲンの分解を抑制する効果があります。

出典:長寿科学振興財団「ビタミンAの働きと1日の摂取量」

出典:長寿科学振興財団「ビタミンCの働きと1日の摂取量」

出典:長寿科学振興財団「ビタミンEの働きと1日の摂取量」

出典:長寿科学振興財団「ポリフェノールの種類と効果と摂取方法」

肌のハリを取り戻すには、継続的なケアが必要です。年齢や生活習慣など、個人差によって効果は異なります。ご自身の肌の状態に合わせて、適切なケアを行うことが大切です。

 

そもそも肌のハリとは?

肌のハリとは、一般的には肌に弾力があり、ふっくらとしている状態を指します。まるで風船のように、肌の内側からふっくらと膨らんでいるようなイメージです。

肌のハリは、見た目にも大きな影響を与えます。ハリのある肌は、以下のような特徴を持ち、若々しい印象を与えやすい状態です。

  • 肌に弾力があるため、シワになりにくい
  • 肌がふっくらとしているため、顔の輪郭がはっきりし、立体感が出る
  • 血行がよく、肌が明るく見える
  • 肌のキメが細かく、なめらかで美しい

肌のハリは、肌の構造を支えるコラーゲンやエラスチンといったタンパク質の働きによって保たれています。

 

肌のハリを失う原因とは?

年齢とともにこれらのタンパク質が減少すると、肌のハリや弾力が失われ、シワやたるみといった老化現象が現れやすくなります。以下では、肌のハリを失う主な原因について紹介します。

 

年齢とともに減少するコラーゲンとエラスチン

肌は、主に表皮、真皮、皮下組織の3つの層から構成されています。このうち、肌の弾力やハリを保つ上で特に重要な役割を果たしているのが、真皮です。真皮には、コラーゲンやエラスチンと呼ばれるタンパク質が豊富に含まれており、これらのタンパク質が網目状の構造を作り、肌に弾力とハリを与えています。

コラーゲン 真皮の約70%を占めるとされる主要なタンパク質で、肌に強度と弾力性を与え、構造を支える役割があります。
エラスチン コラーゲンと組み合わさって働き、肌に伸縮性と柔軟性を与えます。コラーゲンを肌の主要な材料とするならば、エラスチンは肌の弾力性に関わるタンパク質です。

年齢を重ねるにつれて、コラーゲンやエラスチンを作り出す工場のような役割をしている線維芽細胞の働きが衰え、各成分を生成する能力が低下します。また、糖質を過剰摂取すると、体内で糖化が進み、コラーゲンが変性して硬くなり、結果的に肌の弾力性が低下します。糖化とは、体内のタンパク質や脂質が、余分な糖と結びついて変性し、AGEs(エイジス:Advanced Glycation End Products)と呼ばれる老化物質を作り出す現象のことです。

 

外部環境による影響

紫外線や汚染された大気は、肌のハリを保つ上で大きな敵です。

紫外線は、肌の真皮層にまで到達し、コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力性を支えるタンパク質を破壊します。

【紫外線が肌のハリに与える影響】

  • コラーゲンを構成するアミノ酸の結合を切断し、コラーゲン繊維を断片化させることで、肌の弾力性が低下し、シワやたるみの原因となる
  • エラスチンが紫外線によって酸化し、弾力性が失われる
  • 肌に炎症反応を引き起こし、コラーゲンやエラスチンの生成が阻害される

また、ばい煙、黄砂、排気ガスなどのアレルゲンとなる大気汚染物質は、肌に直接ダメージを与えるだけでなく、肌の細胞を酸化させて活性酸素を発生させる作用があります。活性酸素は、コラーゲンやエラスチンを破壊し、肌のハリを低下させます。

 

日々のスキンケアでできる肌のハリを取り戻すためのアプローチ

肌のハリを取り戻すためには、日々のスキンケアが非常に重要です。自分に合ったスキンケア製品を選び、正しい順番で使うことで、肌のターンオーバーをケアしたり、コラーゲン生成をサポートしたりでき、肌にハリを取り戻すことにつながります。

スキンケア製品を選ぶ際のポイントは、まずは乾燥肌、脂性肌、混合肌など、自分の肌質に合ったものを選びましょう。コラーゲン、ヒアルロン酸、セラミド、レチノール、ビタミンC誘導体など、肌のハリにアプローチする成分が含まれているかを確認することも大切です。

また、肌への負担が少ない製品を選ぶと、肌荒れのリスクが軽減されます。新しい化粧品を使用する際は、必ずパッチテストを行い、肌に合わない場合は使用を中止しましょう。

基礎的なスキンケアルーティンは以下の通りです。

メイク落とし メイクをしている場合は、クレンジングでメイクをしっかり落とします。
洗顔 ぬるま湯で顔を洗い、洗顔料で優しく洗います。
化粧水 コットンに化粧水をたっぷり含ませ、優しくパッティングします。
美容液 自分の悩みに合った成分を含む美容液を、目元や口元など、特に気になる部分に塗布します。
乳液・クリーム 化粧水や美容液の後に、乳液やクリームで肌にふたをします。

 

日々の生活習慣で意識したい肌のハリを取り戻すためのアプローチ

肌のハリは、単にスキンケア製品を使うだけでは保てません。生活習慣も肌の状態に大きく影響を与えます。

例えば食事は、肌を作るための材料です。バランスの取れた食事は、肌のターンオーバーをケアし、コラーゲン生成を促す作用に期待できます。肌のハリを取り戻したいと考える場合、以下の栄養素は、とりわけ意識してみるとよいでしょう。

タンパク質 肌の主成分であるコラーゲン生成に不可欠です。肉、魚、大豆製品などを積極的に摂りましょう。
ビタミンC コラーゲンの生成を助け、メラニン色素の生成を抑える働きに期待できます。柑橘類、いちご、パプリカなどを摂りましょう。
ビタミンE 「抗酸化ビタミン」とも呼ばれる、細胞の酸化を防ぐ成分です。ナッツ類、種子類、植物油などを摂りましょう。
亜鉛 酵素たんぱく質の構成要素であり、新しい細胞が作られる組織や器官で必須となるミネラルです。牡蠣、レバー、ナッツ類などを摂りましょう。

出典:長寿科学振興財団「ビタミンCの働きと1日の摂取量」

出典:長寿科学振興財団「ビタミンEの働きと1日の摂取量」

出典:長寿科学振興財団「亜鉛の働きと1日の摂取量」

水分不足は、肌の乾燥を引き起こし、ハリを失わせる原因です。こまめに水を飲みましょう。

また、肌がダメージを修復し、新しい細胞を作り出すために大切なのが睡眠です。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、肌の再生を促し、コラーゲンの生成をサポートするとされます。

ストレスは、ホルモンバランスを乱し、肌のターンオーバーを遅らせる原因になります。生活の中でストレスをためないように心がけましょう。

運動は、血行をよくし、体のめぐりを活発にするため、結果的に肌の健康にもつながります。

 

肌のハリを取り戻すためには総合的なアプローチを

肌のハリを取り戻すための対策として、まずはヒアルロン酸やセラミドなど、保湿成分が配合された化粧品で、日々しっかりと保湿しましょう。日焼け止めをこまめに塗ったり、日傘を使用したりするなど、紫外線対策を徹底することもポイントです。

また、肌のハリを保つためには、バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレス管理など、総合的な生活習慣の見直しが大切です。ここまで紹介したことを参考に、ぜひ肌のハリをサポートできるような、肌ケア・規則正しい生活習慣を意識してみてください。

記事の監修者

崔 煌植

崔 煌植 医師

美容外科・皮膚科医

経歴
・元大手美容クリニック大型院 院長
・サラクラアズクリニック 技術指導医
・AND美容外科心斎橋院 院長
・「サイ先生の糸リフト塾」 代表・講師

所属
・韓国美容外科医学会 (KAAS)
・日本美容外科学会 (JSAS)

アンチエイジング・たるみ治療のスペシャリスト。
特にミドル世代からの支持が厚くファンも多い。
得意施術の「糸リフト」は症例件数10,000件以上(西日本 1位)、ベストショットアワードなど数々の賞を受賞。複数の美容クリニックで院長・技術指導医・監修医を兼任する傍ら、糸リフト実践セミナー講師として全国の美容ドクターの技術指導に携わる。