肌のハリが失われると、肌全体の弾力性が低下し、肌表面がごわごわとした感触になったり、肌のくすみや色ムラが目立ちやすくなったりします。明るく健康的な印象が損なわれ、全体的に疲れた印象になりやすいです。
また、肌のハリがなくなると、顔のたるみやしわも目立ち始めます。特に目元、口元、頬のたるみは年齢を感じさせる大きな要因です。
当記事では、肌のハリが低下する原因や肌のハリを取り戻すためのアプローチ方法について詳しく解説します。
目次
記事の監修者
崔 煌植 医師
美容外科・皮膚科医
肌の「ハリ」とは、弾力性のある状態、たるみのない状態・みずみずしい健やかな状態などを示す言葉です。ハリのある肌は、健康的で若々しい印象を与えます。肌のハリは、肌の内部構造、特に真皮層に深く関連しています。
肌の内部構造について |
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加齢や生活習慣により、コラーゲンやエラスチンなどのタンパク質の生成が減少したり、質が低下したりすると、肌のハリが失われ、しわやたるみが生じやすくなります。
肌のハリが低下する原因は、以下のように多岐にわたります。
加齢 |
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紫外線 |
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筋肉の老化 |
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肌の乾燥・ターンオーバーの乱れ |
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肌に合わないスキンケア製品の使用 |
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上記に挙げた要因を理解し、適切なケアと生活習慣を心がけることが、肌のハリを保つために重要です。
肌のハリを取り戻すためには、正しいスキンケアはもちろん、栄養バランスの良い食事など、体の外側からも内側からもケアをする必要があります。以下では、若々しく健康的な肌を目指すためのアプローチ方法を紹介します。
肌の乾燥はハリの低下に大きく影響し、うるおいが不足すると肌細胞がしぼんでしまい、その結果、肌は弾力を失います。そのため、自分に合った基礎化粧品を使用してしっかりと肌を保湿することが重要です。保湿力の高い製品を選び、肌細胞に十分な水分を供給できれば、ふっくらとしたハリのある肌を取り戻すことにつながるでしょう。
スキンケアでは、化粧水で肌に水分を与えた後、乳液やクリームを使って水分を肌の内部に閉じ込めることが大切です。肌のバリア機能が強化されると、肌トラブルが防げ、ターンオーバーが正常化し、健康的な肌状態を維持しやすくなります。水分と油分のバランスを整え、肌のハリやツヤを保ちましょう。
紫外線対策も、肌のハリを取り戻すために重要です。紫外線、特に波長の長いUVAは肌の深部まで届き、コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力性を支える成分を変性させるため、肌のハリや弾力が失われます。これは「光老化」と呼ばれ、しわやシミの原因にもなります。
紫外線対策としては、まず日焼け止めの使用が基本です。日焼け止めにはSPF値(UVB防御効果)とPA値(UVA防御効果)があり、肌のハリを保護するためにはPA値の高い製品を選びましょう。日焼け止めは塗りムラがないように十分な量を均一に塗り、2~3時間おきに塗り直すと効果的です。
加えて、日傘やサングラスの使用も肌のハリを守るのに役立ちます。日傘はUVカット率が高く、遮光性のあるものや、内側がシルバーコーティングされていないものが望ましいです。サングラスは、レンズの色だけでなく、紫外線透過率も確認して選ぶと良いでしょう。
肌のハリを取り戻すためには、さまざまな栄養素をバランス良く含む食事を心がけることが大切です。ビタミンやミネラル、タンパク質を含む多様な食品を取り入れることで、肌の健康を支えることができます。
コラーゲンの生成 |
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抗酸化作用が強い栄養素 |
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なお、肌の糖化を防ぐために、糖質が多く含まれるお菓子や炭水化物の過剰摂取は控えることが大切です。
肌のハリを取り戻すためには、顔のストレッチや表情筋トレーニングが有効です。表情筋は顔のさまざまな部分にあり、日常的な表情のクセや筋肉の緊張により、たるみが生じることがあります。例えば、眉間にしわを寄せることが多いと、額やまぶたの皮膚が下がり、たるみが生じることがあります。また、口の動きや歯並びによって頬やあご周りの筋肉が影響を受け、皮膚のたるみが生じることもあります。
そのため、表情筋のトレーニングでは、顔全体の筋肉を鍛えることが重要です。例えば、「あいうえお体操」は、顔のさまざまな筋肉を動かす効果的なエクササイズとしておすすめです。あいうえお体操では、まず口を大きく開けて「あ」の形を作り、目も大きく見開きます。次に、「い」「う」「え」「お」と口の形を変えていきます。これらの動作を10~15秒ずつ行い、毎日続けることで、自然と顔の筋肉が鍛えられ、たるみ改善にアプローチできます。また、舌を回す動きや、頬を膨らます動きなども表情筋のトレーニングになります。
これらのエクササイズは毎日続けることで、顔の筋肉を均等に鍛え、肌のハリを取り戻すのに役立ちます。
肌は表皮、真皮、皮下組織の三層から成り、特に真皮層に存在するコラーゲンとエラスチンが肌の弾力とハリを支えています。しかし、年齢とともにこれらの成分の産生は減少し、質も変化するため、肌のハリが低下します。
肌のハリを取り戻すためには、保湿を重視したスキンケア、紫外線対策、バランスの良い食事、運動習慣、顔のストレッチや表情筋のトレーニングなどが有効です。保湿は肌のバリア機能を強化し、紫外線対策をすることで肌のダメージを防ぎます。バランスの良い食事は肌に必要な栄養素を供給します。特にビタミンC、ビタミンA、タンパク質などの摂取が重要です。
記事の監修者
崔 煌植 医師
美容外科・皮膚科医
経歴
・元大手美容クリニック大型院 院長
・サラクラアズクリニック 技術指導医
・AND美容外科心斎橋院 院長
・「サイ先生の糸リフト塾」 代表・講師
所属
・韓国美容外科医学会 (KAAS)
・日本美容外科学会 (JSAS)
アンチエイジング・たるみ治療のスペシャリスト。
特にミドル世代からの支持が厚くファンも多い。
得意施術の「糸リフト」は症例件数10,000件以上(西日本 1位)、ベストショットアワードなど数々の賞を受賞。複数の美容クリニックで院長・技術指導医・監修医を兼任する傍ら、糸リフト実践セミナー講師として全国の美容ドクターの技術指導に携わる。