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ストレスと肌荒れの関係性|肌荒れを防ぐための対策法も

ストレスと肌荒れの関係性|肌荒れを防ぐための対策法も

ストレスと肌荒れは密接な関係にあり、心の状態が直接肌の健康に影響を及ぼすことが多々あります。ストレスが原因でホルモンバランスが乱れたり、自律神経のバランスが崩れたり、肌のターンオーバーが乱れたりすることで、ニキビ、赤み、乾燥などさまざまな肌トラブルが引き起こされます。

当記事では、「そもそもストレスとは」といった基礎的な内容から、ストレスによって肌荒れを引き起こす理由、ストレス由来の肌荒れを防ぐためのポイントまで、掘り下げて解説します。

記事の監修者

崔 煌植

崔 煌植 医師

美容外科・皮膚科医

 

そもそもストレスとは?肌荒れへの影響についても解説

ストレスは、外部からのさまざまな刺激や要求(ストレッサー)に対して、身体や心が見せる反応の総称です。もともと物理学で用いられたこの用語は、生物学や心理学の分野で人間の反応機構を説明するために用いられるようになりました。

外部からの刺激には、寒暖の差や騒音などの物理的要因、有害物質などの化学的要因、職場や家庭での人間関係や職務の負荷など、心理的・社会的要因が挙げられます。これらのストレッサーに対する反応は、心理的反応(不安やイライラなど)、身体的反応(頭痛や胃痛など)、行動的反応(喫煙・飲酒量の増加など)に分類されます。

ストレスの影響は個人差が大きく、適応することでポジティブな効果をもたらすこともあれば、不適応によって心身の健康を害することもあります。特に現代社会では、仕事の性質や人間関係など、心理的・社会的ストレッサーが大きな割合を占めており、多くの人が日常的にストレスを感じています。適切なストレス管理や対処法を見つけ、健康な状態を維持することが重要です。

出典:厚生労働省 こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「1 ストレスとは:ストレス軽減ノウハウ」

 

ストレス由来でどのような肌荒れが起こる?

ストレスは身体のホルモンバランスに影響を及ぼし、免疫機能の低下や皮膚のバリア機能の低下を引き起こすことがあります。これにより、以下のような肌荒れが生じることがあります。

・ニキビや吹き出物

ストレスは皮脂の過剰分泌を促すことがあり、毛穴の詰まりや皮膚の炎症、ニキビの原因となります。

・乾燥肌

ストレスによるホルモンバランスの乱れは、皮膚の保湿機能を低下させ、乾燥肌を引き起こすことがあります。

・湿疹や皮膚炎

ストレスは免疫系の反応を変化させることで、アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎などの湿疹を悪化させることがあります。

・赤みやかゆみ

ストレスによって血流が増加し、皮膚の敏感性が高まることで、赤みやかゆみが生じることがあります。

・皮膚のトラブルの悪化

すでに存在する皮膚の問題(例えば、ロゼアセア、乾癬(かんせん)など)がストレスによって悪化することがあります。

ストレスによる肌荒れを防ぐためには、自分に合ったストレス管理の方法を見つけ、健康的な生活習慣を心がけることが重要です。また、肌荒れがひどい場合は、皮膚科専門医の診察を受けることが推奨されます。

 

ストレス由来でどのような部位が肌荒れしやすい?

ストレスが原因で起こる肌荒れは、身体のさまざまな部位に影響を及ぼすことがあります。特に影響を受けやすい部位は、以下の通りです。

・顔

ストレスは顔に出やすいと言われており、特に額、頬、あご周辺はニキビや吹き出物が出やすい部位です。ストレスによるホルモンの変動は皮脂の過剰分泌を引き起こし、顔の皮膚トラブルの一因となります。

・頭皮

ストレスは頭皮の健康にも影響を及ぼし、フケや頭皮のかゆみ、脱毛など、さまざまな頭皮トラブルの原因となることがあります。

・背中

背中は顔と同様に、ニキビが出やすい部位です。特に広い面積にわたって皮脂腺が分布しているため、ストレスによる皮脂の過剰分泌がニキビを引き起こしやすくなります。

・手

ストレスによる皮膚の乾燥や湿疹は手にも現れやすいです。特に手洗いや消毒の回数が多い場合、皮膚のバリア機能が低下し、ストレスによる影響を受けやすくなります。

ストレスによる肌荒れは、個人のストレスの受け止め方や皮膚の状態、生活習慣などによっても変わってきます。ストレスを感じたときは、適切なスキンケアを心がけるとともに、リラクゼーションや適度な運動でストレスを管理することが重要です。

 

ストレスによって肌荒れを引き起こす理由

ストレスは心身に多大な影響を及ぼしますが、上記のように、その影響は肌の状態にも現れることがあります。以下では、ストレスが肌荒れを引き起こすメカニズムを3つの理由に分けて解説します。

 

ホルモンバランスの変化

ストレスを感じると、身体が反応してさまざまなホルモンを分泌します。特に、ストレスホルモンとして知られるコルチゾールのレベルが上昇することがあり、これが肌荒れを引き起こす主な理由の1つです。

コルチゾールは皮脂の生産を促進するため、皮脂腺が過剰に活動し、ニキビや他の皮膚トラブルの原因となり得ます。また、ホルモンバランスの乱れは皮膚のバリア機能を低下させ、外部からの刺激に対して皮膚が敏感になることもあります。

 

自律神経の乱れ

ストレスを受けると、身体は自律神経のバランスが乱れやすくなります。自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから成り、これらのバランスが重要です。

ストレスが原因で交感神経が優位になると、体は「闘争・逃走反応(fight-or-flight response)」の状態に入り、血流が重要な臓器に集中しやすくなります。この結果、皮膚への血流が減少し、肌の修復や再生が遅れることがあります。

また、自律神経の乱れは皮膚の水分保持能力を低下させるため、乾燥肌や敏感肌、肌荒れや赤み、かゆみなどのトラブルを引き起こす原因にもなります。

 

ターンオーバーの乱れ

ストレスがかかると、肌のターンオーバー(古い肌細胞が新しい肌細胞に置き換わるプロセス)が乱れることがあります。正常な場合、ターンオーバーは28日前後で完了しますが、ストレスによるホルモンバランスの変化や自律神経の乱れがターンオーバーの周期を崩すことがあります。

・ターンオーバーの周期が速すぎると…

肌は適切に保湿されず、表面が荒れた状態になりやすいです。

・ターンオーバーの周期が遅すぎると…

古い肌細胞が蓄積し、毛穴の詰まりや肌のくすみの原因となります。

また、ターンオーバーの乱れは皮膚のバリア機能を低下させ、外部刺激に対する肌の抵抗力を弱めるため、炎症が引き起こされやすくなります。ストレスが長期間続くと、このようなターンオーバーの乱れが発生し、肌荒れの根深い原因となるので注意しましょう。

 

ストレスによる肌荒れを防ぐために意識したいポイント

ストレスによる肌荒れを防ぐために意識したいポイントとして、ここでは効果的な対策をいくつか紹介します。

・ストレスマネジメント

ストレスを感じたら、リラクゼーション技法(深呼吸、瞑想、ヨガなど)を取り入れて心身を落ち着かせるようにしましょう。また、趣味や運動を通じてストレスを解消する方法も有効です。

・十分な睡眠

質の良い睡眠は、肌細胞の修復と再生に不可欠です。睡眠不足は肌の健康を損なうため、毎晩7~8時間の睡眠を心がけましょう。

・バランスの良い食事

ビタミンやミネラルが豊富な食事は、肌の健康を保つのに役立ちます。特にビタミンCやE、オメガ3脂肪酸を含む食品は、ストレスに対抗する抗酸化作用があります。

・適切なスキンケア

肌タイプに合ったスキンケア製品を選び、毎日のケアを怠らないことが重要です。また、過剰な洗顔・スクラブは肌にストレスを与えるので避けましょう。肌が敏感になっているときは、刺激の少ない製品を選んで肌を穏やかにケアすることが大切です。必要に応じて、保湿力の高い製品を使用して肌のバリア機能を強化しましょう。

・水分補給

十分な水分摂取は、体内の毒素を排出して肌の水分バランスを保つのに役立ちます。1日に8杯程度(約2リットル)の水を目安に飲むようにしましょう。

・専門家への相談

自己管理では改善が見られない場合は、皮膚科専門医に相談することも1つの手段です。専門的な診断と治療を受けることで、根本的な問題を解決できる場合があります。

これらのポイントを意識して、ストレスによる肌荒れを予防・改善し、健康的な肌を維持しましょう。

 

ストレスと肌荒れの関係性を理解して正しくケアしよう

ストレス由来の肌荒れを防ぐためには、まずストレス源を特定しましょう。適度な運動、趣味やリラクゼーションによるリフレッシュ、質の良い睡眠を確保することも、ストレスによる肌荒れを防ぐのに効果的です。

さらに、バランスの取れた食生活や適切なスキンケア習慣を維持することで、肌の健康をサポートし、ストレスに強い肌を作ることができます。心と体の健康を同時にケアすることが、ストレスによる肌荒れを防ぐためのポイントです。

記事の監修者

崔 煌植

崔 煌植 医師

美容外科・皮膚科医

経歴
・元大手美容クリニック大型院 院長
・サラクラアズクリニック 技術指導医
・AND美容外科心斎橋院 院長
・「サイ先生の糸リフト塾」 代表・講師

所属
・韓国美容外科医学会 (KAAS)
・日本美容外科学会 (JSAS)

アンチエイジング・たるみ治療のスペシャリスト。
特にミドル世代からの支持が厚くファンも多い。
得意施術の「糸リフト」は症例件数10,000件以上(西日本 1位)、ベストショットアワードなど数々の賞を受賞。複数の美容クリニックで院長・技術指導医・監修医を兼任する傍ら、糸リフト実践セミナー講師として全国の美容ドクターの技術指導に携わる。