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頭皮のニオイの原因とメカニズムは?対策方法も解説

頭皮のニオイの原因とメカニズムは?対策方法も解説

頭皮のニオイは、頭皮の皮脂が多く分泌されることで発生します。間違ったやり方でシャンプーをしたり、洗浄力が高すぎるシャンプーを使用したりしていると、皮脂が過剰に分泌されます。また、ストレスやバランスの悪い食生活も、皮脂が多く分泌される原因の1つです。

この記事では頭皮のニオイの原因と、頭皮のニオイを改善できるポイントについて解説します。頭皮からニオイがしているのではないかと悩んでいる人や、今後も不快なニオイをさせることなく、周りの人からもきれいな髪だと思われたい人はぜひ参考にしてください。

記事の監修者

崔 煌植

崔 煌植 医師

美容外科・皮膚科医

 

頭皮から不快なニオイがでるメカニズム

頭皮の仕組みとニオイが発生するメカニズムは、皮脂腺の活動に深く関係しています。頭皮は身体の中でも皮脂腺が特に多い部位です。皮脂腺から分泌される皮脂の役割は、頭皮の保護と髪の健康維持です。

頭皮の仕組みとニオイが発生するメカニズムは、皮脂腺に深く関係しています。頭皮は身体の中でも皮脂腺が特に多い部位です。皮脂腺から分泌される皮脂の役割は、頭皮の保護と髪の健康維持です。

しかし、皮脂が過剰に分泌されベタついている場合には、頭皮のニオイの原因となります。特に、頭皮では皮脂と汗が混ざり合い、肌表面の常在菌によって分解される過程で不快なニオイの原因となる脂肪酸が生成され、ニオイを感じることが多いです。

 

頭皮のニオイの主な原因

そもそも皮脂とは、皮脂腺から分泌される油性の物質で、人間の皮膚表面に自然に存在します。この脂質は主にトリグリセリド、ワックスエステル、スクワレン、および自由脂肪酸などから構成されています。皮脂の主な役割は、皮膚を柔らかく保ち、外部からの水分の蒸発を防ぎ、外部環境からの物理的および化学的なダメージに対する保護バリアとして機能することです。また、皮脂は抗菌特性を有しており、皮膚を清潔に保つのに役立ちます。

しかし、皮脂の過剰な分泌は毛穴の詰まりやニキビの原因となることがあります。バランスが重要であり、皮膚の健康を維持するためには適切な皮脂量が必要です。

頭皮トラブルが発生すると皮脂の分泌が多くなり、余分な皮脂を雑菌がエサとすることで雑菌が繁殖してしまいます。以下では、頭皮のニオイの原因となる頭皮トラブルについて、5点解説します。

 

シャンプーが正しくできていない

シャンプーを行う際は、正しい洗浄が不可欠です。しかし、洗いすぎてしまうと皮脂の過剰分泌を引き起こす場合があります。

そのため、シャンプーは1日1回程度を目安とし、適切な方法で行うことが重要です。頭皮が脂っぽいからといって過度なシャンプーは逆効果です。頭皮の常在菌のバランスを崩し、ニオイの原因となる細菌の増加につながる恐れがあります。

皮脂が少なめの人は洗いすぎに注意し、必要に応じてシャンプーの頻度を調整することが望ましいです。

 

シャンプーの洗浄力が強すぎる

頭皮のベタつきを感じたとき、人によっては洗浄力が高いシャンプーを選びたいと思うこともあるでしょう。しかし、洗浄力が強いシャンプーを使用すると、頭皮から必要な皮脂まで洗い流してしまい、皮脂不足となる場合があります。

皮脂は頭皮の乾燥を防ぎ、外部の刺激から守る役割があります。しかし、皮脂が不足すると頭皮は乾燥し、皮脂を補おうとして皮脂を過剰に分泌させるため、頭皮のニオイを悪化させる原因となります。

頭皮のニオイが気になる人は、洗浄力が強すぎるシャンプーの使用は避けるようにしましょう。また、シャンプーの原液を直接頭皮につけないようにすることで、必要な皮脂を過度に洗い流すことを防止できます。

 

汗の量が多い

頭皮にはエクリン腺と呼ばれる汗腺が存在し、身体の他の部分と同様に汗を分泌します。エクリン腺から出る汗は99%が水分で構成されており、通常は透明で無臭です。一方で、アポクリン腺という別のタイプの汗腺も存在しています。アポクリン線から分泌される汗にはタンパク質・脂質なども含まれているため、乳白色をしています。アポクリン腺からでた汗は、皮膚の常在菌によって分解される際に不快なニオイを発生させることがあります。

頭皮には主にエクリン腺が存在するため、基本的にニオイが汗から出ることは少ないですが、汗そのものを放置すると、湿度が高くなり雑菌が繁殖しやすい環境が作られます。この雑菌は皮脂を分解する際にニオイを発生させるため、汗をかいた後のケアが重要です。汗をかいた後は速やかに頭皮を乾燥させ、頭皮の清潔を保つために髪の洗浄を行いましょう。

 

食事のバランスが悪い

脂っぽい食事を好んで続けると、慢性的な脂質の過剰摂取となり、頭皮の皮脂分泌を過剰に促す原因となることがあります。カロリー摂取が過多になると中性脂肪が蓄積し、全身の皮脂分泌が増加するため、頭皮のニオイだけでなく体臭自体も強くなる恐れがあります。

また、香辛料の過剰摂取やビタミンB群の不足も、皮脂の過剰な分泌に影響を及ぼすと考えられています。食事内容は皮脂の分泌量に影響を与えるため、バランスの良い食生活を心がけましょう。バランスの取れた食生活を心がけることで、頭皮の健康を保ち、ニオイの問題を軽減できるでしょう。

 

ストレスが溜まっている

ストレスは体内のホルモンバランスに影響を与え、特に男性ホルモンの増加を招くことがあります。男性ホルモンは皮脂の分泌に関わっており、ストレスが原因で皮脂の分泌が増加すると、頭皮のニオイが強くなる場合もあるため注意しましょう。さらに、ストレスは頭皮の血行不良を引き起こし、頭皮環境の悪化につながることもあります。

ストレスによる頭皮の問題は、ニオイやベタつきだけでなく、薄毛や抜け毛、白髪の原因にもなり得ます。頭皮のニオイの問題を防ぐためにもストレスを抱えた状態を放置せず、こまめに気分転換を行い、ストレスとうまく付き合うようにしましょう。

 

頭皮のニオイを改善するためのポイント

頭皮のニオイを改善するためには、シャンプーのやり方とシャンプーの選び方が重要です。

洗浄力が強すぎるシャンプーは頭皮には逆効果となり得るため、低刺激でマイルドな洗浄力を持つアミノ酸系やベタイン系の洗浄成分を含むシャンプーがおすすめです。頭皮に必要な皮脂を残しつつ、適度なうるおいを与えてくれます。また、ヒアルロン酸やセラミド、コラーゲン、グリセリンなどの保湿成分が含まれているシャンプーを選ぶとよいでしょう。これらの成分は頭皮の乾燥を防ぎ、皮脂のバランスを保ってくれます。

シャンプー時には髪を濡らす前にブラッシングを行い、皮脂や汚れを落としやすくしましょう。その後、ぬるま湯で予洗いをします。シャンプーを使うときは頭皮を指の腹で優しくマッサージしながら洗いましょう。

特に耳の後ろや生え際、後頭部などは洗い残しが出やすいため注意が必要です。すすぎは念入りに行い、ぬるつきがなくなるまでしっかりとすすぎましょう。また、洗髪後は速やかに頭皮を乾かすことが重要で、タオルで水気を取ってからドライヤーで根元から乾かします。

 

スキンケアも並行して行うことが大切

頭皮も当然肌の一部であり、顔や体の他の部分と同じように適切なケアが大切です。スキンケアは保湿や紫外線ケア、食事バランス・十分な睡眠・ストレス管理といった生活習慣を整えることが基本です。

また、自分の肌質や頭皮の状態に合った製品を選ぶことで、かゆみや赤み、乾燥、アレルギー反応などの肌トラブル・頭皮トラブルを回避しやすくなります。特に敏感肌の人は、自分に合わない不適切な製品を使用すると、炎症や皮膚疾患を悪化させてしまう場合があるので注意してください。

頭皮ケアもスキンケアと並行して日々行うことで、健康な髪と頭皮を維持し続けることができます。

 

頭皮のニオイの解消にはケア方法や生活習慣の見直しが重要

頭皮のニオイは皮脂や汗の分泌量が関係しており、過剰に分泌されると不快なニオイの原因となります。シャンプー方法が不適切な場合や、シャンプーの洗浄力が強すぎる場合も頭皮の健康を損ね、ニオイを引き起こす一因となってしまいます。

頭皮のニオイを改善するためには日頃のシャンプーの仕方を見直し、マイルドな洗浄成分を含む自分に合ったシャンプーの選択や、バランスの取れた食生活とストレス管理が重要です。

これらのポイントを日々の生活で押さえることで、頭皮の健康を保ち、頭皮のニオイを気にせずに過ごしやすくなるでしょう。

記事の監修者

崔 煌植

崔 煌植 医師

美容外科・皮膚科医

経歴
・元大手美容クリニック大型院 院長
・サラクラアズクリニック 技術指導医
・AND美容外科心斎橋院 院長
・「サイ先生の糸リフト塾」 代表・講師

所属
・韓国美容外科医学会 (KAAS)
・日本美容外科学会 (JSAS)

アンチエイジング・たるみ治療のスペシャリスト。
特にミドル世代からの支持が厚くファンも多い。
得意施術の「糸リフト」は症例件数10,000件以上(西日本 1位)、ベストショットアワードなど数々の賞を受賞。複数の美容クリニックで院長・技術指導医・監修医を兼任する傍ら、糸リフト実践セミナー講師として全国の美容ドクターの技術指導に携わる。