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頭皮の皮がむける原因と対処法|フケはなぜ出る?

頭皮の皮がむける原因と対処法|フケはなぜ出る?

頭皮がかゆい、頭から白いものが落ちてくる、頭皮の皮がむけるといった症状の通称である、いわゆるフケは多くの人を悩ませる頭皮トラブルの1つです。

鏡を見るたびに、肩についた白いフケを発見してがっかりした経験がある方もいるでしょう。乾燥した頭皮は、見た目の印象を悪くするだけでなく、自信をなくしてしまう原因にもなります。

当記事では、フケができる原因や、乾燥した頭皮を健やかに保つための具体的な対処法を紹介します。

記事の監修者

崔 煌植

崔 煌植 医師

美容外科・皮膚科医

 

頭皮の皮がむけるプロセスとは?

頭皮が健康な状態でも、フケのもとになる古い細胞は、目立たない形でターンオーバーのたびに頭皮から剥がれます。

ターンオーバーとは、人間の皮膚が生まれ変わり古い角質が剥がれ落ちる新陳代謝のことです。頭皮も例外ではなく、常に新しい細胞が生まれて古い細胞が剥がれ落ちていき、フケが生まれます。

しかし、何らかの原因でこのターンオーバーが乱れると、白い粉のように見えるほど大量に古い細胞が剥がれたり、頭皮のかゆみを感じたりします。

 

頭皮の皮むけにつながる要因

頭皮の乾燥は、皮むけにつながる最も一般的な原因の1つです。

以下では、頭皮の皮むけを引き起こす主な要因と、それぞれの要因が頭皮に与える影響について詳しく解説します。

 

シャンプーや化学物質の影響

シャンプーやヘアケア製品に含まれる化学物質によって、頭皮の皮むけを引き起こすケースがあります。

  • 界面活性剤
    シャンプーの洗浄成分である界面活性剤は、皮脂や汚れを落とす一方で、頭皮の必要な油分も過剰に洗い流してしまうことがあります。
  • アルコール
    ヘアケア製品に含まれるアルコールは、頭皮の水分を奪い、乾燥を促進させることがあります。
  • 合成香料
    合成香料は、皮膚刺激を起こしやすく、乾燥や炎症を悪化させる可能性があります。

強い洗浄力を持つシャンプーや、頻繁なヘアカラーなどにより、頭皮の角質層が損傷を受けます。皮脂膜は、頭皮を外部の刺激から保護する役割がありますが、シャンプーなどで皮脂膜が破壊されると、頭皮は乾燥しやすくなり、バリア機能が低下します。

 

紫外線と気候の変動の影響

紫外線は、皮膚の老化を早め、さまざまな皮膚トラブルを引き起こすことが知られています。頭皮も例外ではなく、紫外線によって以下のような影響を受けます。

  • 日焼け
    頭皮も日焼けします。日焼けは、赤みや炎症を引き起こし、皮むけの原因となります。
  • 乾燥
    紫外線は、皮膚の水分を奪い、乾燥させます。乾燥した頭皮は、バリア機能が低下し、外部刺激に弱くなります。
  • 皮膚がん
    長期間にわたって強い紫外線を浴び続けると、皮膚がんのリスクが高まります。

特に冬場は、暖房器具の使用などにより、室内が乾燥しやすくなるので、頭皮も乾燥しやすいです。

 

ストレスとホルモンのバランスの影響

ストレスを感じると、体はさまざまな反応を示します。その1つが、皮脂の分泌量の増加です。皮脂の分泌量が増えると、毛穴が詰まりやすくなり、炎症を起こし、頭皮の皮むけやフケを引き起こすことがあります。

また、ホルモンは、私たちの体のあらゆる機能を調節しています。特に、女性ホルモンは皮脂の分泌量や毛髪の成長に大きな影響を与えるホルモンです。月経周期や妊娠、更年期など、女性ホルモンのバランスが大きく変動する時期には、頭皮の状態が不安定になりやすい傾向があります。

さらに、ストレスや生活習慣の乱れなどが続くと、女性でも男性ホルモンが増加し、皮脂の分泌量が増え、毛髪が薄くなるといった症状が起こりうるため注意しましょう。

 

生活習慣が頭皮に与える影響

髪の主成分であるタンパク質をはじめ、ビタミン類、ミネラルなどが不足すると、頭皮の細胞が十分に再生できず乾燥やフケを引き起こす可能性があります。また、血糖値が急上昇すると、皮脂の分泌が活発になり毛穴が詰まりやすくなります。

睡眠も頭皮の成長に影響を与える要素です。睡眠中は成長ホルモンが分泌され、髪の成長を促します。睡眠不足は成長ホルモンの分泌を抑制し、髪の成長を妨げ頭皮のトラブルを引き起こす可能性があります。

 

フケの形成メカニズムと種類

フケの種類や原因によっても、適切な対策が異なります。もし、フケがひどい場合や、長期間続く場合は、皮膚科を受診するようにしましょう。

ここでは、フケの形成メカニズムと種類について解説します。

 

フケが形成される理由

フケが形成される主な原因としては、主に以下のものが挙げられます。

  • 頭皮の乾燥
    頭皮が乾燥すると、角質層が剥がれやすくなり、フケが発生します。特に冬場や乾燥した環境で起こりやすい傾向があります。
  • 脂漏性皮膚炎
    皮脂の分泌が過剰になり、マラセチア菌というカビが繁殖することで、炎症が起こり、フケが出ます。黄色いフケが特徴的で、かゆみも伴うことがあります。
  • アレルギー
    シャンプーやヘアケア製品、花粉などに対するアレルギー反応が原因で、頭皮が炎症を起こし、フケが出ることがあります。
  • 乾癬(かんせん)
    皮膚細胞が異常に増殖する慢性的な炎症性皮膚疾患で、頭皮に銀白色のフケが出ることがあります。
  • 生活習慣
    睡眠不足、ストレス、栄養バランスの乱れなどが原因で、頭皮のバリア機能が低下し、フケが発生しやすくなります。

フケの原因は、人によって異なります。まずは、自分の頭皮の状態を把握し、それに合ったケアを行うことが大切です。

 

乾燥型フケと脂漏性フケの違い

フケには、大きく分けて乾燥型フケと脂漏性フケの2種類があります。それぞれ、原因や症状、適切なケアが異なります。

乾燥型フケ

頭皮の乾燥が主な原因となるフケです。小さく白いフケがパラパラと落ちる、かゆみを感じる、頭皮がつっぱるなどの症状が見られます。

対処法として、低刺激性の保湿剤をこまめに塗布し、頭皮を潤わせるのが大切です。シャンプーは乾燥肌用の刺激が小さいシャンプーを選び、ぬるま湯で優しく洗髪しましょう。

また、部屋を適度に加湿することで、乾燥を防ぐのも重要です。

脂漏性フケ

皮脂の分泌が過剰になり、マラセチア菌というカビが繁殖することで、炎症が起こりフケが出ます。ストレス、ホルモンバランスの乱れなどが悪化させる要因となります。

黄色みがかったベタつくフケ、赤み、かゆみ、頭皮の脂っぽさなどが特徴です。

対処法としては、脂性肌用のシャンプーを選び、頭皮を清潔に保ちましょう。マラセチア菌を抑えることに期待できる成分が含まれた、薬用シャンプーを使用することも人によってはおすすめです。

ご自身でどちらのタイプか判断するのが難しい場合や、適切なケアを行っても症状が改善しない場合は、皮膚科を受診することを検討してください。

 

頭皮の皮むけを予防する頭皮のケア方法

頭皮の皮むけを予防する頭皮ケア方法は、主に以下の通りです。

  • シャンプーやトリートメントは、合成香料などの添加物が少なく、頭皮への刺激が少ないものを選びましょう。
  • 熱すぎるお湯は、頭皮の皮脂を洗い流しすぎ、乾燥を招くので注意してください。
  • 爪を立てずに、指の腹で頭皮を優しくマッサージするように洗髪しましょう。
  • シャンプー剤が残っていると、頭皮トラブルの原因になるので、しっかりすすぎましょう。
  • シャンプー後には、頭皮用の保湿ローションを使用し、乾燥を防ぎましょう。セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が配合されたものを検討してみてください。

ブラッシングは、頭皮の血行をスムーズにし、フケの除去にも役立ちます。

 

頭皮ケアも含めたトータルのスキンケアが大切

頭皮は顔や体の皮膚とつながっています。そのため、頭皮のトラブルが他の部分の肌に影響を与えることもあるでしょう。

頭皮ケアは、単なる髪のケアではなく、全身の健康を保つための大切なケアです。顔や体のスキンケアと同様に、頭皮ケアも習慣化して、健やかな毎日を送りましょう。

 

頭皮の皮むけの予防は日々のケアから

頭皮の皮むけを防ぐためには、シャンプーを選ぶ際に界面活性剤や合成香料、パラベン、鉱物油、合成着色料などの添加物が含まれていない(もしくは含有量が少ない)、肌への刺激が少ないものを選びましょう。アミノ酸系の洗浄成分は、肌への負担が少なく、保湿効果も期待できます。

ストレスとホルモンバランスの乱れは頭皮の健康に悪影響を与え、皮むけを引き起こす可能性があります。ストレスをなるべくため込まず、健康的な生活を送ることが、頭皮の健康維持にも結果的につながります。

記事の監修者

崔 煌植

崔 煌植 医師

美容外科・皮膚科医

経歴
・元大手美容クリニック大型院 院長
・サラクラアズクリニック 技術指導医
・AND美容外科心斎橋院 院長
・「サイ先生の糸リフト塾」 代表・講師

所属
・韓国美容外科医学会 (KAAS)
・日本美容外科学会 (JSAS)

アンチエイジング・たるみ治療のスペシャリスト。
特にミドル世代からの支持が厚くファンも多い。
得意施術の「糸リフト」は症例件数10,000件以上(西日本 1位)、ベストショットアワードなど数々の賞を受賞。複数の美容クリニックで院長・技術指導医・監修医を兼任する傍ら、糸リフト実践セミナー講師として全国の美容ドクターの技術指導に携わる。