
更年期に入り、「肌にヒリヒリとした痛みがある」「化粧品かぶれが起こるようになった」と感じる方もいるでしょう。これは、女性ホルモンの分泌量が減ることで肌質が変化し、外部刺激に敏感になることが大きな要因の1つです。
当記事では、更年期世代が敏感肌になりやすい理由や肌に現れる特徴、正しいセルフケア、化粧品の選び方を丁寧に解説します。自分の肌変化と向き合い、適切な対処法を取り入れることで、快適な毎日を目指しましょう。
目次
記事の監修者

崔 煌植 医師
美容外科・皮膚科医
更年期に肌が敏感になりやすいのは、女性ホルモンの減少により肌が変化し、バリア機能が低下することが主な要因です。ここでは、更年期の女性が敏感肌になりやすい理由を詳しく解説します。
更年期に入ると、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌が急激に減少します。エストロゲンは、肌の水分保持力やハリ・コラーゲンの生成に深く関わっているホルモンです。エストロゲンが減少すると、肌のうるおいが不足し、弾力も低下しやすくなります。
同時に、皮脂分泌を促すプロゲステロンも減少するため、肌は水分・油分ともに不足した乾燥状態に陥りがちです。その結果、肌機能が弱まり、紫外線や乾燥、摩擦といった外部刺激に過敏に反応するようになります。
加齢や生活習慣の乱れ、紫外線ダメージ、間違ったスキンケアなどの影響によっても、肌のバリア機能は徐々に低下します。年齢とともに皮脂や天然保湿因子、セラミドなどは減少し、肌はうるおいを保ちにくくなります。ストレスや睡眠不足、栄養の偏りによってターンオーバーの乱れが起こると、肌表面はさらに不安定な状態になります。
加えて、紫外線やエアコンによる乾燥、誤った洗顔や摩擦などもバリア機能を損なう要因です。こうした要素が複合的に重なることで、わずかな刺激でもヒリヒリ・ピリピリしやすい敏感な肌状況に傾きやすくなります。
更年期に入ると、肌がこれまでより敏感に反応することが増えます。ここでは、ヒリヒリ感や化粧品の違和感、吹き出物など、更年期の敏感肌に見られる具体的な特徴を紹介します。
更年期の肌はバリア機能が低下しやすく、わずかな刺激でもヒリヒリ・ピリピリとした不快感を覚えることがあります。特に、洗顔やクレンジング後、化粧水を塗布した直後にチクチクとした刺激やかゆみ、赤みを伴うのは、肌が極度に敏感な状態になっているサインです。
ヒリヒリ・ピリピリとした刺激感は、乾燥やターンオーバーの乱れによって角層の状態が不安定になることが原因です。また、40代以降は季節の変化やストレスの影響も受けやすく、今までは問題なく使えていた化粧品が急に合わなくなることもあるため、「ずっと使っているから大丈夫」と思うのは要注意です。
化粧品が肌に合わない場合、「塗った直後にヒリヒリとしみる」「赤みやかゆみが出る」「湿疹やかぶれが起こる」など、さまざまな影響が現れます。数時間で治まる場合もありますが、長引いたり悪化したりする際は注意が必要です。
また、使用を始めて数日後にニキビや吹き出物が出ることもあります。これらのトラブルは、化粧品に含まれる成分による刺激やアレルギー反応、あるいは肌のバリア機能が低下していることが原因です。脂性肌や乾燥肌、普通肌など、肌タイプによっても適したスキンケア化粧品は異なります。肌に異変を感じたら、まずは使用を中止し、患部をやさしく洗って保湿するなどのケアを行いましょう。
更年期になると、口の周りや顎などのフェイスラインに、ブツブツとした吹き出物や湿疹が現れることがあります。吹き出物や湿疹ができるのは、加齢によってターンオーバーが乱れ、古い角層が毛穴に詰まりやすくなるためです。毛穴が塞がれるとアクネ菌が繁殖し、ニキビのような肌のトラブルにつながります。
また、乾燥によってバリア機能が低下した状態では、化粧品や汗、衣類との摩擦といった些細な刺激でも吹き出物ができやすくなります。乾燥性皮膚炎や皮脂欠乏性湿疹なども同時に発生した場合、ニキビとの見分けが難しい場合もあります。
敏感に傾きやすい更年期の肌には、過度に負担をかけないエイジングケアが求められます。ここでは、肌をやさしく守りながら健やかに保つための基本的なケア方法を紹介します。
更年期の敏感肌には、肌への負担を最小限に抑えた丁寧なスキンケアが欠かせません。まずはクレンジングや洗顔をやさしく行い、洗顔後は時間をあけずに化粧水でたっぷり水分を補いましょう。
その後、美容液で美容成分を浸透させ、乳液やクリームで油分を与えてうるおいを閉じ込めます。美容液は、手のひらで温めてから顔全体に広げ、ハンドプレスでなじませると、肌への刺激を軽減できます。
汚れを落とそうとゴシゴシ洗ったり、熱いお湯を使ったりすると、薄くデリケートな角層にダメージを与え、バリア機能の低下を招く可能性があります。洗顔やクレンジングの際は、手のひらでやさしくなじませ、すすぎには32℃から34℃のぬるま湯を使いましょう。
また、洗顔料やクレンジング剤の洗い残しがないように注意しつつ、シャワーを直接肌に当てるのは避け、手ですくったぬるま湯で丁寧にすすぐのが理想です。洗顔後のタオルドライでは、こすらずタオルを軽く押し当てるようにして水分を取ると、肌への摩擦を最小限に抑えられます。
敏感肌は紫外線の影響を受けやすいため、日焼け止めを活用した日常的なUV対策が欠かせません。特におすすめなのは、肌への刺激が少ないとされる「紫外線散乱剤」配合や、石けんで落とせる「クレンジング不要」タイプの日焼け止めです。乾燥が気になる場合は、保湿成分入りのクリームやミルクタイプを選ぶのもよいでしょう。
塗り直しが必要な場面では、パウダーやスプレー、スティックタイプの日焼け止めを活用するのも効果的です。また、日傘や帽子、UVカット衣類などを併用し、物理的な紫外線対策で肌を守るようにしましょう。
敏感肌には、肌への刺激を最小限に抑えた化粧品を選ぶ必要があります。ここでは、更年期のゆらぎやすい肌にやさしく寄り添う、化粧品の選び方のポイントを紹介します。
敏感肌の方は「低刺激性」「無香料」「無着色」など、肌へのやさしさを考えた処方の化粧品を選ぶのが基本です。特に、アルコールやパラベン、合成香料などの肌に刺激を与える可能性のある成分が含まれていないかを確認するようにしましょう。また、セラミドやスクワラン、アミノ酸などの保湿成分、LPSが含まれている化粧品は、肌のバリア機能の維持をサポートし、乾燥や肌荒れを予防するのに役立ちます。
敏感な状態の肌は、わずかな摩擦や刺激にも反応しやすくなります。そのため、伸びがよく肌にスッとなじみ、塗布時にこすらずに広がる、やさしいテクスチャーの製品がおすすめです。とろみのある化粧水や、ベタつきにくい保湿クリームなど、使い心地の好みに合わせて選ぶことで、日々のスキンケアを心地よく続けられるでしょう。
敏感肌向けの化粧品は、開発段階でパッチテストやアレルギーテスト、スティンギングテストなどを実施しているものが多くあります。すべての人に刺激が起きないわけではありませんが、「パッチテスト済み」「敏感肌の方による使用テスト済み」などの表示があるかどうかは、化粧品を選ぶ際の判断材料の1つになります。まずはサンプルで問題ないか試してもよいでしょう。
更年期の敏感肌は、女性ホルモンの減少や加齢によるバリア機能の低下などが原因となり、刺激に反応しやすくなる傾向にあります。ヒリヒリ感や化粧品トラブル、吹き出物といった変化を感じたら、まずはスキンケアの方法や使用する化粧品を見直すことが大切です。
摩擦や刺激を避けたやさしい洗顔・保湿ケアを基本に、低刺激性の処方やテスト済み化粧品を選ぶことで、肌の安定を図ることができます。日常生活における改善の積み重ねが、ゆらぎやすい肌を守り、心地よい素肌づくりへと導いてくれるでしょう。
記事の監修者
崔 煌植 医師
美容外科・皮膚科医
経歴
・大阪府済生会千里病院
・大手美容クリニック大型院院長
・美容クリニック技術指導医
・崔先生の糸リフト塾代表
・SAI CLINIC 院長
所属
・韓国美容外科医学会 (KAAS)
・日本美容外科学会 (JSAS)
エイジングケア・たるみ治療のスペシャリスト。糸リフトは症例件数10,000件以上、SBCベストショットアワードなど数々の賞を受賞。
オーソモレキュラー栄養療法と美容医療を融合し、体の内側と外側の両方からアプローチすることで自然な健康美を目指すSAI CLINICを大阪梅田で開院。
特にミドル世代からの支持が厚く、県外からのリピーターも多い。