加齢とともに避けられないのが、徐々に増えてくる白髪です。頭頂部の根元から生えてくるので目立ちやすく、「何とかして白髪を減らしたい」と思っている人もいるでしょう。その一方で、相応に年を重ねているにもかかわらず、白髪の少ない人がいるのも事実です。
当記事では、白髪の少ない人の特徴と、その特徴を活用した白髪の予防方法を解説します。40代・50代になっても白髪が少ない人には、共通する特徴があります。白髪が生えるのは避けられないからこそ、白髪の少ない人の特徴を踏まえ、白髪が増えにくい環境を作りましょう。
目次
記事の監修者
崔 煌植 医師
美容外科・皮膚科医
白髪が少ない人は、育毛剤を使ったり紫外線対策を徹底したりするなど、美容に高い関心を持つ傾向にあります。それ以外の大きな特徴としては「健康的な生活習慣」「正しいヘアケア・頭皮ケア」「適切なストレス管理」が挙げられます。まずは、白髪の少ない人の共通点を確認しましょう。
白髪の少ない人は、栄養バランスの整った1日3食の食事・定期的な運動・6時間以上の睡眠など、健康的なライフスタイルを好む傾向にあります。飲酒や喫煙もあまりしない人が多いです。
「朝は決まった時間に起きて朝食を食べ、日中は体を動かし、野菜を中心とした昼食・夕食をとって決まった時間に入浴・就寝する」という規則正しい生活リズムが身に付いている人もいます。
白髪の少ない人は、正しいヘアケアを実践し、頭皮ケアも取り入れて、髪と頭皮の両方の健康にも気を配ることが特徴です。髪のとき方や洗い方、乾かし方は、正しいとされる方法で毎日行います。
また、頭皮マッサージにも余念がありません。自分の頭皮の状態や髪質に合わせたアイテムを厳選し、頭皮と髪の健康維持に努める傾向にあります。
自分に適した方法でストレスを溜め込まないことも、白髪の少ない人によく見られます。ストレスとなっていることの原因を分析し、ストレスの軽減や改善を図ります。
現代社会においてストレスを完全に避けることはできません。何不自由ない生活を送っているのではなく、ストレスの発散の仕方が上手なのが、白髪の少ない人の特徴です。
そもそも白髪は、メラニン生成に関係するメラノサイトという細胞の働きが低下することで生じます。白髪が少ないのは、遺伝的な要素が関係している場合もあります。しかし、生活環境やヘアケア方法を見直すことによって、白髪の増えにくい状態を目指すことは可能です。
白髪の少ない人は、白髪予防の習慣が自然と身に付いています。ここからは、白髪の少ない人の特徴を参考に、白髪対策となる8つの方法を紹介します。
白髪を増やさないためには、髪の健康維持につながる「たんぱく質」「ビタミン」「ミネラル」を積極的に摂取することが大切です。たんぱく質は毛髪を構成する成分で、豆・卵・肉・魚などに多く含まれます。卵や豚肉にも含まれるビタミンB2、アーモンドなどに多く含まれるビタミンE、果物に多いビタミンCなどは、髪の健康に関わる成分の一つです。
また、さまざまな種類があるミネラルの中でも亜鉛は髪の形成に関係し、牡蠣や豚レバーなどに含まれます。特定の栄養素ばかりを摂取するのではなく、どの栄養素もバランスよく取り入れることが、白髪予防には効果的です。
適度に体を動かすことは、ストレスの緩和にもつながります。ストレスは、メラニン色素の生成を阻害し、髪を白くすると言われています。ストレスを軽減することは白髪の抑制につながる可能性があるため、ストレス管理の一環として運動習慣を身に付けましょう。
適度な運動として推奨される運動量は「息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上」です。週1時間でも毎日10分でも構いません。また、運動の種類も自由です。ウォーキングやジョギングなど、自分が楽しく続けられる方法で体を動かしましょう。
十分な睡眠時間を確保できないと、髪の健康維持に関わる成長ホルモンの分泌が乱れ、白髪の増加につながります。成長ホルモンの分泌は、20代にピークを迎えた後は、年齢を重ねるにつれて徐々に減少します。また、睡眠不足は頭皮の血行不良やストレスの蓄積にもなりかねません。そのため、スムーズに深い眠りに入れる良質な睡眠を取ることが重要です。
良質な睡眠を取るには、規則正しい生活リズムが鍵となります。まずは朝の起床時間・布団に入る就寝時間を固定しましょう。日中は活動的に過ごし、就寝の2~3時間前に入浴します。寝付きをよくするなら、熱めのお湯に短時間だけ浸かったり、半身浴をしたりするのも効果的です。就寝直前はテレビやスマートフォンを見るのは避け、リラックスして眠れるようにしましょう。
若白髪など白髪が目立ち始めたときは、美容院ですぐに白髪用のヘアカラーをするのではなく、細かくハイライトを入れる白髪ぼかしを検討しましょう。白髪染めは確かに白髪をカバーするのに効果的ですが、白髪を黒などの濃い色で染めるため、頭皮や髪に大きな負担がかかる点がデメリットです。
その点、白髪ぼかしは頭皮や髪へのダメージを抑えながら白髪隠しが可能です。白髪ぼかしでは、地毛の髪色をブリーチで脱色することで、白髪部分との境界をぼかします。ブリーチをするのは一部分で、白髪染めのようにカラー剤を髪全体には使いません。白髪と地毛のコントラストが抑えられることで、髪が伸びても根本の白髪が目立ちにくくなります。
白髪ぼかしはダメージの少ない染め方ですが、ブリーチをする分、色落ちは明るくなります。仕事の関係上、髪を明るくできない場合や黒髪など暗めの髪色が好きな場合は、ノンジアミンカラーで染めることを検討しましょう。ノンジアミンカラーは、髪を黒色や褐色に染める染料のジアミンが入っていません。ジアミンによるアレルギーを防げるほか、低アルカリのカラー剤なので頭皮や髪、肌のダメージを低減できます。
髪にボリュームを出したい場合は、水パーマがおすすめです。水パーマとは、髪にスチームを当ててカールを作る方法です。通常のパーマと違い、髪を保湿しながらパーマを当てることができ、施術が短時間で済みます。
アミノ酸系シャンプーやベタイン系シャンプーなど、穏やかな洗浄力を持つシャンプーは頭皮の健康維持を図ることが可能です。一般的に、洗浄力の強いシャンプーはしっかりと頭皮の汚れを洗い落とせますが、頭皮に刺激となる場合があります。頭皮の健康状態が悪化すると、白髪が増える原因になりかねません。
アミノ酸系シャンプーやベタイン系シャンプーは優しく汚れを落とせるだけでなく、保湿成分やケア成分によって頭皮環境や髪を労わることもできます。白髪予防を徹底するなら、シャンプーの成分にもこだわってみましょう。
増え続ける白髪に悩んでいる場合は、頭皮マッサージも取り入れましょう。頭皮マッサージには、頭皮の血行促進効果が期待できます。頭皮が柔らかくなることで髪の毛が立ち上がりやすくなるほか、リラックス効果によってストレスを緩和できるでしょう。
腕や足をマッサージするときは手でこすりますが、頭皮をマッサージするときは手指を使って「こする」「押す」「揉む」動作を組み合わせると効果的です。5本の指で頭皮を軽くつかんで円を描くように動かしたり、手のひらで頭をはさんで押しながら動かしたりしましょう。先に側頭部や後頭部からほぐすと、前頭部や頭頂部の動きがスムーズになります。
ストレスが溜まると血流が悪くなり、白髪が増えやすくなります。日常生活の中でストレスを発散し、白髪の増加を緩やかにしましょう。定期的な運動や良質な睡眠は、ストレス解消にも有効です。入浴時はシャワーで済ませず、お湯にゆっくりと浸かるのもよいでしょう。映画やドラマ鑑賞、読書を通して笑ったり泣いたりすることも、ストレス発散になります。
ストレス発散の時間が取れないときは「深呼吸をする」「ストレッチをする」「好きなものを食べる」など、その場で簡単にできることを試してみましょう。ストレスが溜まっているからといって、お酒をたくさん飲んだりやけ食いしたりするのはNGです。
白髪予防は早めが肝心!頭皮や髪に優しい習慣を意識しよう
白髪の少ない人は、頭皮や髪の健康を常に維持する行動が身に付いているのが特徴です。白髪の少ない人の特徴にならい、食生活を中心に運動習慣や睡眠環境を見直してみましょう。入浴時は、頭皮に配慮したシャンプーを使って正しく洗い、頭皮マッサージをすることがポイントです。
また、どうしても白髪が気になる場合は、頭皮や髪への負担が少ない方法で染めるようにしましょう。白髪対策に年齢は関係ありません。白髪ケアに早くから取り組むことで、白髪の増えにくい状態に導くことが可能です。些細なことでも構わないので、できるセルフケアから取り組んでみてください。
記事の監修者
崔 煌植 医師
美容外科・皮膚科医
経歴
・元大手美容クリニック大型院 院長
・サラクラアズクリニック 技術指導医
・AND美容外科心斎橋院 院長
・「サイ先生の糸リフト塾」 代表・講師
所属
・韓国美容外科医学会 (KAAS)
・日本美容外科学会 (JSAS)
アンチエイジング・たるみ治療のスペシャリスト。
特にミドル世代からの支持が厚くファンも多い。
得意施術の「糸リフト」は症例件数10,000件以上(西日本 1位)、ベストショットアワードなど数々の賞を受賞。複数の美容クリニックで院長・技術指導医・監修医を兼任する傍ら、糸リフト実践セミナー講師として全国の美容ドクターの技術指導に携わる。